粤港澳大湾区初の時刻表運行「中欧班列」、広州国際港を出発

粤港澳大湾区初の時刻表運行「中欧班列」、広州国際港を出発

19日、広州国際港で発車を待つ粤港澳大湾区初の時刻表に基づき運行する「中欧班列」。(広州=新華社配信)

 【新華社広州6月20日】中国華南地域で最大となる鉄道コンテナセンター駅の広州国際港から、貨物を満載した「中欧班列」(中国-欧州間の国際貨物列車)がユーラシア大陸を横断する長距離貿易の旅に向けて出発した。粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア)発の中欧班列として初めて、全区間を時刻表に基づき運行する。

 内モンゴル自治区シリンゴル盟の二連浩特(エレンホト)口岸(通関地)からモンゴル、ロシア、ベラルーシを通って最終的にポーランドの首都ワルシャワに到着する。全行程は約1万1200キロで、輸送日数は約16日となっている

 中国鉄路広州局集団広州鉄道物流センターマーケティング部の張帆(ちょう・はん)副経理によると、全区間を時刻表に基づき運行する中欧班列は、国内外の各鉄道作業場では番号、路線、ダイヤ、運行時間が固定されている。編成、積み込み、発車を優先し、出入国する通関駅での積み下ろし、受け渡しなどの作業段階を最適化することで、全行程の迅速でシームレスな接続を実現、輸送時間を効果的に短縮、定時運行率を高めるという。

 張氏は「毎週の水曜に広州国際港を出発する。普通の中欧班列より輸送時間が約30%短縮できる」と話した。

 粤港澳大湾区は中国で最も開放度が高く、経済の活力が最も強い地域の一つで、経済規模が14兆元(1元=約22円)を超えている。

粤港澳大湾区初の時刻表運行「中欧班列」、広州国際港を出発

19日、広州国際港を出発する粤港澳大湾区初の時刻表に基づき運行する「中欧班列」。(広州=新華社配信)

 広東省では2023年の越境電子商取引(EC)による貿易額が前年比25.2%増の8433億元となり、全国の3分の1以上を占めた。今年第1四半期(1~3月)は越境ECが好調で、貿易額が2千億元を突破。巨大な貿易規模は、旺盛な貨物輸送需要をもたらしている。

 重要な国際貨物輸送方式である中欧班列は、運行の好調さが際立っている。中国鉄路広州局集団によると、広東、湖南、海南の3省では、今年1~5月の中欧班列運行本数が前年同期比21.5%増の649本となった。うち5月は同3省が133本、粤港澳大湾区が82本で、これまでの月間最多本数を更新した。

 運行効率が普通の定期貨物列車より大きく高まった全区間時刻表運行中欧班列は人気を呼んでおり、全国で複数の線路が開通している。今年に入り、陝西省西安市からドイツ・デュイスブルクまで、四川省成都市からポーランド・ウッチまでなどの路線も相次いで運行を開始した。

 張氏は「広州局集団は広東、湖南、海南、特に珠江デルタ(広州・深圳・東莞・珠海など9市)の工業製品、日用消費財、EC物流品などの貨物が豊富という特徴に対応し、サービスの設計に磨きをかけ、特色ある定期貨物列車を多く提供する」との考えを示した。

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