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英南部ソールズベリにある世界遺産ストーンヘンジに、環境保護活動家が粉の塗料を吹き付ける騒ぎが19日あった。
環境保護団体「ジャスト・ストップ・オイル(とにかく石油をやめろ、JSO)」の抗議者2人が正午ごろ、5000年前に作られた遺跡にオレンジの粉を吹き付けた。
この日は、毎年行われている夏至を祝う集会が始まる前日だった。
地元のウィルトシャー警察は、ストーンヘンジに損害を与えた容疑で、2人を逮捕したとした。
JSOは声明で、オレンジの粉はコーンスターチで、「雨で洗い流されるだろう」としている。
また、粉を吹き付けた2人について、オックスフォード出身の学生ニアム・リンチ氏(21)と、バーミンガム出身のラジャン・ナイドゥ氏(73)だと発表した。
「非常に不快な出来事」
リシ・スーナク英首相は、この出来事を「恥ずべき破壊行為だ」と非難した。
最大野党・労働党党首サー・キア・スターマーも、損害は「とんでもない」ものであり、JSOを「悲惨な団体」だと表現した。
現場では事件発生時、人々が「やめろ」と叫び、抗議者らが世界遺産のストーンサークル(環状列石)に駆け寄るのを阻止しようと走った。
イギリスの歴史的建造物を保護する政府機関イングリッシュ・ヘリテッジの広報官は、この出来事を「非常に不快」だと説明。一方、ストーンヘンジは引き続き一般公開されると述べた。
また、今回の件は夏至の集会に影響を及ぼすことはなく、20日の夜には予定通り集会が行われると述べた。
記者の中で現場に最初に駆け付けたBBCのポール・クリフトン記者によると、歩道に最も近い3本の石が粉に「まみれていた」という。
また、多くの観光客が「少し困惑していた」と伝えた。
「ストーンヘンジの管理者と警備員らが、歩道に沿って立っていた」
「これは粉状の塗料で、天候も乾燥して晴れ渡っているため、損害を残さずに除去されるだろうとの見方も示されている。しかし、意見を形成する前に、専門家に石を検査してもらう必要があるだろう」
JSOはこの行動の動機について、総選挙後のイギリス政府に、2030年までに石油、ガス、石炭の採掘と燃焼を終わらせるよう要求することだったと説明した。
同団体の広報担当者は、「石炭、石油、ガスの燃焼を続ければ、数百万人の命が失われることになる」、「人類を守るために力を合わせなければ、すべてを失うことになる」と述べた。
考古学者のマイク・ピッツ氏は、この出来事の影響は「非常に懸念されるものとなる可能性がある」と話した。
「ストーンヘンジは数十年にわたって立ち入りが禁止され、巨石の表面は保全されている」
「表面は傷つきやすく、先史時代の刻印で完全に覆われており、まだ十分に研究されていない。石の表面が傷ついていれば非常に心配だ」
「また、巨石の上では植物が豊かに育っており、めずらしい地衣類が生えている。 そのため、(損害が)大きな懸念を残す可能性がある」
ウィルトシャー警察の報道官は、「2人の容疑者が一部の石にオレンジ色の塗料を吹き付けたという通報を受け、対応した」と説明。「現在調査中であり、イングリッシュ・ヘリテッジと緊密に連携している」と述べた。