デシャンボーのバンカーセーブは「うますぎてビックリ」 西郷真央はメジャー今季初の予選通過に気合

西郷真央はメジャー今季初の決勝ラウンド進出、上位も目指していく(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前情報◇19日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

「マイヤーLPGAクラシック」を34位タイで終えた日曜日、西郷真央はテレビ観戦をした。「全米オープン」での松山英樹の上位争い、ローリー・マキロイ(北アイルランド)のまさかの1メートルのパット、ブライソン・デシャンボー(米国)の勝利を決めるバンカーショット…。学ぶことはたくさんあった。

「55ヤードのバンカーなんて一番難しい。うますぎてビックリしました。(マキロイのパットは)1メートルでも相当切れるところにカップがあったので、メジャーセッティングだなと思いました。面白かったです」。ギャラリー目線として楽しみつつ、同じプロゴルファーとしての見方もあった。「距離だけじゃない難しさを見て、どこにつけてマネジメントをしていくかが大事だと思った」。5年後の2029年にはそこで女子の全米オープンが開催することも決まっていて、「あんな難しいところで…(笑)。でも楽しみですね、見たことがあるコースで自分がプレーするというのは」と想いも馳せる。

サハリーCCは両サイドに立つ高い木がフェアウェイにせり出し、「いかんせん狭い」とティショットに緊張感を与える。「どれだけ横のミスを減らせるか」と左右ブレを減らすコントロール性を求める一方、打ち出せる幅が狭いことでより狙うべきスポットに集中でき、「ぼんやり狙うよりは決め切ったほうが自分の調子が良くなると思う」ともいう。「今年初めて、ティショットからプレッシャーがあるようなコース。試合感のなかでどう影響が出るのか、いろんな経験になるので、楽しみなラウンドになる」と攻略を目指していく。

今季はここまで11試合に出場。最高位は4月「JMイーグル・LA選手権」の8位タイで、予選落ちは3度。そのうちの2つが、「シェブロン選手権」、「全米女子オープン」のメジャー大会だ。

ともに、1打及ばずに週末行きを逃している。「ショットはカットライン上にいるような内容ではなかった。パッティングでカットラインに届かないスコアになっている。どれだけ勝負どころで決め切れるかが大事」と見据える。そのパッティングについて、先週は、「距離感を先に決めて、それに対するラインをつくる。打つまでにプランを立てる」という取り組みを行い、徐々に長い距離からカップをかすめるパットが増えてきたことも実感する。「同じ2パットでも中身が違う2パット。引き続きやっていきたい」と、グリーンでのかみ合いにも良い兆しが見えてきた。

メジャー今季初の決勝ラウンド進出だけでなく、そのさらに上も目指したい。「メジャーで上位争いというのをまともにしたことがない。そういう経験で得られることもあるから、早くその段階にいけるようにしたい」。女子プロゴルファー世界No.1決定戦で力を発揮したい。(文・笠井あかり)

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