1位は「権威あるパフォーマンス」で大勝を飾った開催国ドイツ! 初戦を終えての「出場国パワーランキング改訂版」を英専門メディアが発表【EURO2024】

EURO2024は6月18日でグループリーグの第1節を終え、各チームがそれぞれ1試合を消化している。

まだ残り2試合で各グループの動向はいかようにも変わっていくだろうが、最初の90分間を経て、各チームの実力や今後の可能性がある程度は見えてきたとも言え、大会前に出場24か国の「パワーランキング」を作成していた英国のサッカー専門メディア『Planet Football』は、第1節の結果やプレーぶりを反映させた“改訂版”を以下のように発表した。

◆下位10チーム◆
24位:スコットランド(-4位)
23位:ウクライナ(-13位)
22位:ハンガリー(-10位)
21位:セルビア(-4位)
20位:ポーランド(+3位)
19位:クロアチア(-8位)
18位:アルバニア(+6位)
17位:チェコ(-3位)
16位:ジョージア(+5位)
15位:スロベニア(-3位)
(括弧は開幕前の順位との差)

まず下位10チームでは、開幕戦でドイツに1-5の大敗を喫したスコットランドが開幕前の20位から最下位に転落。「開幕戦では何の良さも見せられず、プレッシングなしでのハイラインを敷いたことで、開催国に自由を与えてしまった」(同メディア)英国4協会の一角は、これまでワールドカップでは8回、EUROでは4回の本大会に出場しながら、一度も次ラウンド突破を果たせずにいる稀有なチームだが、今回も悪しき記録を更新する可能性は非常に高そうだ。
全24か国の中で最も順位を下げたのがウクライナ。ルーマニアに衝撃的な0-3の完敗を喫した彼らは、欧州の主要リーグでプレーする選手を多く擁しながら、レアル・マドリーのGKアンドニー・ルニンは最初の2失点でミスを犯し、ミハイロ・ムドリクらによる攻撃も不発に終わっている。また、同じく大幅ダウンのハンガリーは、「世界のサッカーファンから期待を受けていたものの、スイス戦の前半は絶望的に悪く、自分たちのスタイルを見せられなかった」。

スペインに0-3で一蹴されたクロアチアも意外な敗者であり、同メディアは「今大会で同国の黄金世代はその力を失うかもしれない」と悲観的な見方を示し、「スペイン戦では多くのチャンスがありながらも3点差をつけられたのは、選手たちが全盛期のような知恵を持っていないことを示唆している」と指摘。まだ決勝トーナメント進出の可能性は十分にあるとしながらも、「多くの人が思っていた以上に脆弱」と酷評している。◆中位8チーム◆
14位:デンマーク(-1位)
13位:ベルギー(-5位)
12位:スロバキア(+7位)
11位:ルーマニア(+11位)
10位:オーストリア(-1位)
9位:トルコ(+7位)
8位:スイス(+7位)
7位:オランダ(-1位)
(括弧は開幕前の順位との差)

中位勢では、ベルギーのスロバキア相手の敗北(0-1)は今大会最初のビッグサプライズとなった。それでも多くのチャンスを創ったこともあり、同メディアは「レッドデビルズは次ラウンド進出の見込みは十分にある」と綴ったが、「この初戦は不吉な兆候でもあった」と付け加えた。

対してルーマニアは、24チームの中で最高の11ランクアップを果たし、「第1節で最も驚きを提供。開幕前は全く期待されていなかったが、整然とした、雷のようなシュートを愛するチームであることを明らかにした。楽しむサポーターに支えられて3つのゴールを奪い、ゲオルゲ・ハジと1994年(アメリカW杯)の栄光の日々を思い出させた」と評されている。
◆上位6チーム◆
6位:イングランド(-3位)
5位:ポルトガル(-3位)
4位:フランス(-3位)
3位:スペイン(+4位)
2位:イタリア(+3位)
1位:ドイツ(+3位)

そして上位の6チームはいずれも勝利を収めたが、イングランド、ポルトガル、フランスは控えめなものに終わり、イングランドには「多くの疑問を生む勝利」、ポルトガルには「選手層の厚さは見せたが、改善の余地あり」とネガティブな記述となったが、フランスについては「相手(オーストリア)が強かったにもかかわらず、多くのチャンスを創った。こちらも選手層が厚く、中盤ではエンゴロ・カンテがかつての勢いを取り戻したこともあり、彼らは依然として優勝候補である」と賛辞が贈られた。

逆に、難敵相手に大勝を収めたスペインは大きく順位を上げ、「クロアチア戦は伝統からの脱却を示唆するもので、2008年大会以来、公式戦では初めて対戦相手をボール保持率で下回ったが、ニコ・ウィリアムスやラミネ・ヤマルのプレーは見る者に感銘を与えた」。前回王者のイタリアは、アルバニアに開始23秒でゴールを許しながらも、「ショックが治まった後は、最も良い状態となった」ということで、同メディアは「彼らは期待されていない時こそ危険であり、軽視するのは愚か者だけだ」と、その可能性を高く買っている。

そして、1位となったのは3ランクアップの開催国ドイツ。スコットランド戦の大勝は、「ジャマル・ムシアラとフロリアン・ヴィルツをいずれもナンバー10として起用したことで、対戦相手に大きな混乱をもたらした」と分析。「今後、本気の相手に5-1というスコアを繰り返せるかは不明だが、国民の支持を得るために権威あるパフォーマンスを必要としていた中で、選手たちは見事にその要求に応えた」と称賛した。

構成●THE DIGEST編集部

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