夏の始まりを彩る、神戸・大安亭市場界隈のミントブルー

冷麺を冷麺屋で食べる機会は、あまりなかった。焼肉屋へ行った時の締めに、ビビンパと迷った末に選択するくらい。または、神戸で冷麺といえば、長田の『平壌冷麺屋』。他の店は、あまり知らない。

『冷麺処 伸 Sinn.』は、大安亭市場近くの住宅街にある。ミントブルーを基調としたトロピカルなデザインで統一されており、モノクロな街に涼しげな色をつけている。知らずに入れば、「ロコモコ丼」や「アサイーボウル」なんかが出てくるんじゃないかと思い込んでしまう。そんなビジュアルだ。

数種類ある冷麺の中でも、看板は「ぼっかけ冷麺」。通年注文できる。牛骨ベースのキンキンに冷えたスープに、コシのある透明な麺がよく絡む。具はぼっかけ、キムチ、ゆで卵、ローストビーフ、ミニトマト、白髪ネギ。酢豚にパイン反対派の自分としては、ここにリンゴなんかが浮かんでいないのがいい。ベストオブ冷麺な具材であると思う。

ラーメン屋に行った時は、身体のことを考えて、スープを完飲しないように心掛けている。しかし、こちらの冷麺を食べてしまうと、一滴のスープも残すのが惜しくなってしまう。良くない。けれど、やはりおいしい。この夏、もう一度くらいは訪問したい。

「ぼっかけ冷麺」1100円のほか、女性に人気の「トマト冷麺」1000円など、種類も豊富。

『冷麺処 伸 Sinn.』

住所/兵庫県神戸市中央区八雲通6-1-25

※こちらの記事は、関西の食のwebマガジン「あまから手帖Online」がお届けしています。

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