『今日好き プサン編』最終話ーー「明るい未来が見えました」“継続メンバー”の恋の結果は?

5月6日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。プサン編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

以下より、6月3日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・そうま、ねねとの最後のアピールタイム 2泊3日で渡した“意味のある”プレゼントの数々

『プサン編』最終話を見届ける上での注目ポイントは、全部で3つ。てる(川端輝)がおとは(倉八音羽)、ゆう(早坂ゆう)がじゅま(坂本ジェルー寿真)を運命の恋人として認めるのか。そして、ねね(古園井寧々)がてるとそうま(阿部創馬)のどちらを選ぶのか(もちろん、選ばないという選択肢もあり得るが)。やはり最後は、人気メンバー・ねねの決断にこのシーズンの明暗が託される形となった。どんな旅に参加しても、周囲の男子を好きにさせてしまう憧れの存在。彼女が近くにいたとして、一瞬たりとも気にならない男子なんて、この世にいないのではないだろうか?

“最後のアピールタイム”も残り5組。うち2組をピックアップすると、そうま×ねねの時間は、告白前最後という特有の空気も重さは感じず、これまで通りの明るい雰囲気に。そうまが「もっと話したいなと思って」と、最後までねねに積極性をアピールした。

とここで、そうまが初日に渡した、“幸運の種”と呼ばれるお菓子・アーモンドドラジェについて「(初日に食べた種が)おなかのなかで咲いてるかも」と話題を戻す。ねねが“種が芽生えて咲いた?”と頭を傾げていると、水色のリボンで巻いた小さな花束を取り出したそうま。ただの花束ではない。

前述のアーモンドドラジェのように、渡すものにはしっかりと意味を込める男子。その後の手作りのアクセサリーもそう。今回の花束は、白色と水色の2色の花で飾られていたのだが、それぞれ白色は“可憐な瞳”と、“瞳にビー玉が入っている系女子”のねねになぞらえて。水色の方にも“あなたを幸せにします”というメッセージが込められていた。花の説明をした後に「オレの気持ちも込めた意味があって」と、ねねの幸せを願う言葉をさらっと吐くあたり、あまりに“スパダリ”すぎません?

そうまはやはり、ロマンチックを生み出すスターだった。彼の言葉にはどうしてか、胸の奥までじんわりと伝わるものがある。恋って、こういうことだよね。想いを伝えるって、こういうことだよね。そこで想いを託すプレゼントがあるとしたら、やっぱり花束だよね。ねねを含めて、誰もが求めていただろう2ショットを、最後の最後に目撃することができたことに、一視聴者としてここで改めて感謝を示しておきたい。

・大切な人は、自分を安心させてくれる人 じゅまがゆうに送った「大丈夫」の一言

続いて紹介するのは、じゅま×ゆうのアピールタイム。自身の想いを整理できず「わからん」モードに突入中のゆう。スタジオの“恋愛見届け人”たちの分析していたが、おそらくは涙のスイッチが入ってしまい、そうま、じゅまに対してではなく、もはや“恋愛”に対するどうにもできない感情に号泣しているようだ。

こんなときに、投げかけてほしい言葉はただひとつ。「大丈夫」以外にない。じゅまはまず、自身の人生で見てきた最もかわいいキャラクターをイラストにしてきたと、絵が得意なゆうにまさかの絵でアプローチ。ゆうが渡された紙に描かれていたのは、かわいらしい白い猫。関西弁で、絵が得意で、『今日好き』の“花くじ”で当たりの赤い花をよく引いていて、遊園地のカチューシャもよく似合う、彼女自身だった。「もう大好きなの」。隣の王子さまが、そう呟く。

核心に触れたのは、ここから。たとえカップル成立が不安だとしても、ゆうと一緒にいれば「未来が楽しみ」だと語り、辿り着いた言葉は「大丈夫」。引き続き、ゆうの涙は溢れて止まらないのだが、その涙の意味も少しだけ明るい方向へと変わった気がする。恋愛において、隣にいてほしいのは、自身を安心させてくれる人。「見て? ミッキーだよ」と、初日にも取り出したハンカチを見せて、くすっと笑わせてくれる、じゅまのような人。たとえ今回の旅でどんな決断をしようと、安心させてくれる人がいちばんだと、ゆうはこれからの人生で気づいていくはずだし、この時間はその糧となるに違いない。

・『プサン編』カップル成立数は何組? ねね&ゆうの“継続組”による恋の結果は

いよいよ、運命の告白に。告白する男子は、直前に旅を終えたひろむ(富口大夢)を除く3名。まずは、てる、そうまがねねに告白。この時点で、おとは、せいら(土屋惺来)、ひなの(瀬川陽菜乃)の恋は終わってしまった。

そうまの告白の言葉は「自分がねねちゃんのことを楽しませてあげたいし、幸せにしたいです。大好きです、付き合ってください」。てるもまた「この旅で、ねねちゃんとの明るい未来が見えました。思い描いた未来を一緒に実現してほしいです。大好きです、付き合ってください」と想いを告げる。この後、ねねが“顔を上げてください”と、『今日好き』テンプレートの受け答えをし、まずはてるに感謝を。今回こそは、長続きできる彼氏と付き合いたい。そう考えたときに、てるに覚える“友だち感”が引っかかってしまった。こちらはカップル成立ならず。となると順番的に、そうまとは可能性大……。

いや、残念。予想を裏切られた読者もいるかもしれないが、カップル成立には至っていない。しかもその理由が、そうまとの会話において趣味の話題で一瞬盛り上がることはあっても、その後に無言の時間が続くことが多く、てると同じ“引っかかり”を覚えてしまったというあまりにも具体的すぎるものだった。“自身の至らなさ”に対するフィードバックがあるだけマシか。あるいは、的確な指摘だったからこそ辛いものを感じるか。筆者はこの旅の当初、“そうまはカップル成立間違いなし”と豪語したこともあり恐縮なのだが、なんと、あのそうまですらねねを振り向かせられなかった。

残すは、じゅま。「まだオレのことを完全に好きではないかもしれないけど、それを吹き飛ばせるくらい、オレが絶対に楽しませます」。告白の決意ですら、安心感を抱かせてくれる。どうだろう、ゆう。この人だけは信じられるんじゃないか?

『プサン編』最終話を終えての結果を伝えよう。約1年3カ月ぶり。『卒業編2023』を思い出した。カップル成立、0組である。

ゆうも言葉にした通りだが、じゅまのように気持ちを伝えてくれる男子に出会えたのは人生で初めて。それでも、好きになりきれなかった。ゆうの号泣ぶりを見るに、当たり前だが彼女を責める余地もないし、むしろ旅の序盤に気持ちを振り回されてしまったぶん、落ち着いて考える時間も、心の余裕もなかったのだと思われた。

また、今回の旅の反省点をひとつだけ挙げるとすれば、そうまやねねなど、男女ともひとりのメンバーに恋の矢印が一極集中してしまったことが挙げられる。結果、おとは、せいら、ひなののように、告白の場にすら立てなかったメンバーが多かったことが口惜しい。“ビジュ大戦争”だと盛り上がった数週間前に立ち帰りたくなる。かっこよすぎる、あるいはかわいすぎるというのも悩みどころなのだろうか。かなしい!

(文=一条皓太)

© 株式会社blueprint