スイス金融規制、一段の強化必要 中銀が安定報告書で指摘

[チューリヒ 20日 ロイター] - スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は20日、年次の金融安定報告書を公表し、国内の金融規制をさらに強化する必要があると指摘した上で、資本や流動性の要件について一段の措置が必要との認識を示した。

スイスの金融大手クレディ・スイスは昨年、経営危機に陥り市場が動揺。スイス政府と金融当局が仲介する形で、UBSによる救済合併がまとまった。

SNBは金融安定報告で「クレディ・スイスの危機は、規制の枠組みの弱点を浮き彫りにした」と分析。

「統合後のUBSの自己資本は、危機前のクレディ・スイスよりも強固だ。それでも、現行制度の弱点は残っており、対処する必要がある」とした。

スイス政府は4月、UBSなどシステム上重要とみなされる国内大手4銀行に対する監督を強化するための具体的な提案を盛り込んだ報告書を公表している。

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