著名人かたる詐欺に注意 保険外交員が啓発 群馬県警と生保協会県協会がチラシ配布

チラシを手渡し、詐欺に注意を呼びかける山下さん(右)

 著名な実業家や評論家が投資を呼びかけるように見せかけた偽広告を交流サイト(SNS)に出すなどし、多額の資金をだまし取る「SNS型投資詐欺」で高額被害が相次いでいることから、県警生活安全企画課は、保険外交員に詐欺防止を啓発するチラシを配ってもらう取り組みを始めた。生命保険協会県協会(阿川和信会長)の協力を得て、加盟社の職員が営業先を訪問する際、顧客にチラシを手渡してもらう。

 チラシは表面で「SNSで投資に誘われたら詐欺」「うまいもうけ話はありません」などと強調し、投資に関心を持つ人に注意を呼びかける。裏面には高齢者が狙われることが多い特殊詐欺の対策法を掲載した。固定電話に連絡があるケースが多いため、録音装置の設置などを呼びかけている。

 住友生命保険群馬支社前橋アゼリア支部所長の山下知津枝さん(47)は、実際に訪問先でチラシを手渡した。「最近は、年齢に関係なく被害に遭うように感じる。関わるお客さまの世代は幅広い。会って話す仕事なので、積極的に啓発したい」と話した。

 受け取った前橋市大友町の自営業、黛浩章さん(39)は「特殊詐欺の手口を聞くと怪しいと感じる。人ごとと考えず気を付けたい」と話した。

 県警と同協会などは2018年に「特殊詐欺等の被害防止に関する協定書」を締結し、連携して啓発活動を行っている。

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