名前の由来は「王冠」 仕事と陸上を両立するパリ五輪代表候補のダークホース・本郷汰樹選手

メ~テレ(名古屋テレビ)

パリオリンピックまであと36日。来週の日本選手権でオリンピックの代表が決まる陸上。地元注目のスプリンター、陸上を始めたきっかけは、人類最速ランナーと呼ばれたあの人でした。仕事と陸上を両立するパリオリンピック代表候補の素顔に迫ります。

朝9時前。スーツに身をまとい出勤する名古屋大学大学院卒のエリート。 「オノテックの本郷です」 社会人2年目を迎えた25歳。 実は、陸上の花形100mのパリオリンピック代表候補。名古屋市出身の本郷汰樹選手です。 今から2年前。100mで10秒12をたたき出し、一躍注目を集めると、去年の日本選手権では決勝に進出。5位入賞を果たしました。 「10秒で人を楽しませるスポーツはないので魅力かなと思います」(本郷汰樹選手) ガーナ人の父と日本人の母を持つ、名古屋生まれ名古屋育ちの短距離ランナー。 気になるのは、汰樹という名前ですが、 「父親がガーナ人。ガーナの言葉で『王冠』という意味らしいです」(本郷選手)

きっかけは「人類最速ランナー」

オリンピック代表のダークホースともいえる本郷選手。 実は、競技を始めたのは高校からでした。 「ずっと陸上をやりたかったけど、陸上をやる環境がなかった」(本郷選手) Q.中学時代は何部? 「軟式テニス部でした。意外って言われる」(本郷選手) 陸上に憧れたきっかけ。それは、小学生の時にテレビで観たあの人類最速ランナーでした。 「陸上界にはボルトというスターがいて、すごく盛り上がった」(本郷選手) 中学2年の時、夏休みのニュースを集めたレポート。 「さすがボルト!!かっこいい!って書いてますね。恥ずかし」(本郷選手) 中には、当時ロンドンオリンピックで連覇を達成したウサイン・ボルトの記事がずらり。軟式テニス部なのに陸上の研究をしていました。 「よく調べている。今にも通ずることも載っている。レース中の最大スピードやストライドの長さがタイムに関係する。間違っていない」(本郷選手)

YouTubeで陸上の魅力を伝える活動

卒業後は、陸上部がある瑞陵高校に進学。 ようやく陸上の道に進むと、わずか1年でインターハイに出場しました。 陸上をこよなく愛する本郷選手。2年前から力を入れているのが、YouTubeで陸上の魅力を伝える活動。 自ら動画を編集し、投稿をしているんです。 「僕のことを知って少しでも応援してくれたり、陸上のことも知ってくれて、陸上のファンができれば」(本郷選手)

陸上と仕事を両立する本郷選手が今見据えるのは──

地元・名古屋の電気施工会社に勤めながら競技も続ける社会人スプリンター。 「陸上だけやっていては人間的な成長や社会人としての素養とか得られない。社会人として成長もちゃんとしていきたい」(本郷選手) この日は、社員確保のため会社のプレゼンをしていました。 Q.話すのは得意ですか? 「苦手ではないかなと思っています」(本郷選手) 「あんま緊張せんよね?陸上で慣れているからかな」(会社の上司) 「陸上は陸上で緊張はしない。話すのは得意」(本郷選手) 陸上と仕事を両立する本郷選手が今見据えるのは、パリオリンピックの出場がかかる日本選手権です。 憧れのボルトが王冠を獲得した夢舞台を虎視眈々と狙っています。 「オリンピック出るために求められる、標準記録突破9秒台を目指して、勝てる可能性はあるので、しっかりやりたい」(本郷選手) (6月20日放送 メ~テレ『ドデスカ+』「じもスポ!」コーナーより)

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