福島原発処理水の放出容認せず 全漁連会長、中国の禁輸措置懸念

 全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長は20日、東京都内で記者会見し、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について「ホタテやナマコ(の販売)への影響が大きい。現在も容認していない」と述べ、中国による日本産水産物の禁輸措置に懸念を表明した。日本政府には早期の輸出再開を実現するよう求めた。

 海洋放出は昨年8月に始まった。坂本氏は「日本では応援消費があった」と述べ、国内の冷静な対応に感謝した。

 海水温上昇による不漁や燃料価格の高騰など漁業を取り巻く環境は厳しい。全漁連は今後、養殖業などへのデジタル技術活用やインバウンド(訪日客)への魚食の魅力発信などに取り組む。

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