藤井八冠 叡王戦第5局で伊藤七段に敗れ初のタイトル戦敗北 七冠に後退

 大盤解説会で話す藤井聡太七冠(撮影・西岡正)

 将棋の藤井聡太叡王(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖との八冠)に伊藤匠七段が挑戦した第9期叡王戦5番勝負第5局が20日、山梨県甲府市の「常磐ホテル」で指され、挑戦者の伊藤七段が勝利。藤井叡王は対戦成績2勝3敗でタイトル戦番勝負23戦目にして初の敗北となり、七冠に後退した。

 藤井叡王は第2、3局と連敗し、初めてのカド番で迎えた第4局は意地の勝利。迎えた最終局では先手番となり、戦型は得意の角換わりに。穴熊に組み、玉の固さを生かして激しい攻めを繰り出した。

 昼食休憩前に68手が指される激しい戦いとなり、一時は藤井叡王が優勢とみられる局面もあったが、伊藤七段の粘り強い指し回しの前に逆転を許した。その後、藤井叡王も驚異的な粘りを見せて双方一分将棋の大熱戦となったが、最後は伊藤七段の正確な差し手の前に屈した。

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