木村拓哉、キムタク劇場はもう限界か『Believe』実力派を揃えたキャスティング事情と映画『グランメゾン・パリ』の懸念

木村拓哉(C)ピンズバNEWS

6月20日、木村拓哉(51)主演の連続ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系/木曜よる9時)が、拡大スペシャルで最終回(第9話)を迎える。天海祐希(56)や竹内涼真(31)ら豪華俳優陣との共演も見納めだ。

刑事・黒木(竹内)は、狩山陸(木村)の妻・玲子(天海)に「龍神大橋」建設現場の崩落“事故”の真相を明らかにさせるため自分が狩山を逃がしたが、彼は危険な状態にあると明かす。玲子はすぐに夫の陸に電話するが、陸は「俺と別れてくれ」と告げた。最終回を目前にして、物語は盛り上がりを見せているが、往年の木村の存在感はあまり感じられなかった。

6月13日放送の第8話は、警察の包囲網が迫っている陸に、玲子は「あなたが本気なことだけは分かる。私にも手伝わせてほしい」と言い、家に帰ってくるよう頼んだ。陸は夕方までに帰ってくると応じるが、すでに家には警察がいて、玲子はカメラとマイクの設置を許可すると、「陸を落ち着かせたい」から時間がほしいと訴えた。

一方、事故の全責任を狩山にかぶせた大手ゼネコン・帝和建設では、秋澤弁護士(斎藤工/42)が磯部社長(小日向文世/70)に、陸から連絡があったことを明かし、12時までに事件の真相の公表と謝罪をすることを求められたと告げる。しかし、磯田に公表する意思はなく、秋澤に陸を裏切るよう指示するが……という展開。

物語はいよいよ大詰め。X(旧ツイッター)上では、《斎藤工さん演じる弁護士が最後の最後実は狩山側で...ってなったらけっこうアツいけどな。裁判になるから斎藤工さんが鍵よね》《黒木刑事が張り込みしてた建物から出て来た人物は林区長?》など、考察の声が多くあがっているが、最後に陸が捕まったことが気になる。今後、主人公の狩山陸はどう動くのかーー。

「狩山が捕まった以上、ラストの鍵になるのは、狩山を弁護していたうえに、帝和建設と関わりを持つ秋澤弁護士と、兄・若松(竹内・二役)の崩落事故死の真相を追っている黒木刑事でしょう。この2人がメインで動き、ラスボスの都知事・榛名(賀来千香子/62)を追い込む流れかと思われます」(ドラマライター/ヤマカワ)

それでは、主人公の存在感が薄くなりそうだがーー。

■封印したキムタク劇場

木村演じる主人公の存在感が薄くなる――。

「それは、もともと分かっていたことです。天海、斎藤、竹内に北大路欣也(81)と周年記念ドラマらしい豪華キャストが話題でしたが、今作の木村は、基本彼らを立てる立ち位置にいました。もちろん年齢的なこともあるのでしょうが、最近主演した『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)と『未来への10カウント』(テレビ朝日系)も同様でした。これまでの自分が中心のキムタク劇場から、一歩引いた芝居を目指している感じです」(前同)

路線を変えつつある木村は、19年10月期の主演ドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)の続編となる、映画『グランメゾン・パリ』が今年冬にが公開される。そちらも同じ、まわりを立てるポジションなのだろうか?

「『グランメゾン東京』は、中指・薬指・小指を立てる独特の“三つ星サイン”が話題になった、気難しく妥協を許さない天才シェフ・尾花夏樹が主役で、キムタク劇場全開の作品でした。映画『グランメゾン・パリ』でも往年のキムタク劇場が期待されますが、不安もあるんです。

『Believe』では竹内と対峙するシーンがたびたびありましたが、明らかに押されていて、かつてのキムタクの輝きは正直、なかった。映画ではフランス・パリを舞台に、久しぶりのキムタク劇場で往年の輝きを取り戻せるか、ドラマ版でも共演した鈴木京香(56)ら共演陣の盛り立てに期待したいのですが……」(前同)

第8話の平均世帯視聴率は9.1%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、2桁こそいかなかったが、すべての謎が明かされるであろう『Believe』最終回は、数字的にまずまずの成績を残せそうだ。本作では薄味のまま終わりそうなので、本格的なキムタク劇場は冬の映画『グランメゾン・パリ』に期待したい。

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