ビッグデータで熱中症予測 名古屋市消防局、過去のデータや搬送数もとに独自の取り組み

メ~テレ(名古屋テレビ)

これから暑くなってくると心配なのが熱中症。そのリスクを事前に予測する研究が進んでいます。名古屋市では、「ビッグデータ」を活用した独自の予測が学校現場で役立てられています。

これから迎える夏本番に向け、気を付けたいのが熱中症です。 各地で最高気温が30度を超える「真夏日」となった19日、熱中症の疑いで救急搬送された人は東海3県で合わせて20人となりました。 熱中症について、街ではこんな声も── 「真夏本番はどうなるんだろうという不安しかないですね」 「もし倒れて救急で運ばれるふうになったりするのは怖いなって思ってますね。」 今月6日、三重県桑名市では、校外学習から学校に戻る途中だった小学生4人が、熱中症の疑いで病院に運ばれました。

熱中症の患者が発生した事案を統計化

学校の行事などで屋外での活動も多い子どもたち。 名古屋市消防局は、子どもたちを熱中症から守るため、独自の取り組みを進めています。 「名古屋市の中学校で同時多発的に熱中症の患者が発生した事案がありましたので、小中学校などの教育機関宛に熱中症のリスク予測のデータを送ることで、熱中症の予防に活用できないかと」(名古屋市消防局救急部 市原康之介担当課長)

過去の気象データのビッグデータを利用

名古屋工業大学と名古屋市消防局による共同研究。 消防局が持つ、子どもの救急搬送事例の大量のデータに、過去の気象データや暑さへの「慣れ」など、さまざまな要素を分析し「子どもの熱中症リスク」を予測します。 「我々が出しているリスク予測は1週間先までのリスクが出ますので、先々に予定もリスクに応じて対策や準備が出来るので活用いただきたい」(市原担当課長)

1週間先まで予測可能

環境省が提供する「暑さ指数」は3日先までしか予測ができませんが、名古屋市のデータは1週間先まで予測できるため、学校側は、屋外での活動の予定を前もって変更しやすいといいます。 去年7月には、この「予測」をもとに、熱中症リスクが高い日の体育の授業を中止するよう、教育委員会が4日前から呼びかけた事例もあったそうです。 「試算では、約2割の熱中症搬送者数の減少の可能性があると。効果があったと分析されている」(市原担当課長) この予測データは現在、名古屋市の小中学校など562校に提供していて、熱中症警戒アラートや暑さ指数とともに屋外での活動の目安の1つにしてほしいとしています。

© メ~テレ(名古屋テレビ)