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インターネットショッピングで簡単に商品が購入できる時代。
「消費者を意図しない行動に誘導する」ダークパターンが横行しています。
消費者庁は、2024年版消費者白書で「消費者に多大な被害を生じさせる可能性がある」と注意を呼び掛けました。
事例(1)「カウントダウン」
ダークパターンの事例のひとつは、セール終了を予告する「カウントダウンタイマー」や「残りわずか」など緊急性や商品の希少性を強調する行為。
事例(2)「定期購入が必要?」
そして、例えば化粧品やサプリメントなどの通販サイトで、1回限りと思って購入したつもりが、実は「最低4回の定期購入が必要」と、とても小さい文字で書かれていたケース。
消費者にとって重要な情報が分かりにくくなっています。
事例(3)「解約しずらい」
また、簡単に登録できるのに、解約の手続きは電話のみで受け付けるなど、消費者の行動や選択を妨害する行為などがあります。
消費者庁が実施したアンケートでは、「簡単に登録できるのに解約が複雑で難しいと感じたことがある」に当てはまると回答したのは「68.8%」。
そして「解約方法が電話に限られているのにつながらないことがある」に当てはまると回答したは、「42.6%」でした。
事例(4)「●人閲覧」
そのほかにも、ダークパターンには宿泊予約などで「現在、●人が閲覧中」など社会的証明を表示する行為。
専門家は「全てのサイトがそうとは限らないが、本当にその人数が閲覧しているのか虚偽の可能性もある」としています。
事例(5)「閲覧制限」
商品の上にバナーがかぶさるように表示されている画面では、会員登録をしなければ商品が見えにくくなっています。
商品閲覧には不要なはずの個人情報を強要する行為となりこちらもダークパターンに当てはまります。
消費者に聞いてみると
消費者
「1個2~3千円くらいするサプリメント。あと1時間以内に購入しないとみたいな。」
「買っちゃいますね。「あと1時間」とかいわれると。正しい判断になっているか分からないその状況で、いつもより冷静ではない。今かもしれないと思って買ったら、その後もずっと安かったみたいな。もっと考えればよかった。」
「化粧品とか多いですよね。スムーズにすぐ登録できるんですけど、退会の場所がどこか分からないとか、めっちゃ探すことはあります。」
「コンタクトレンズとかもネットで買おうとすると最初から定期購入になっていて、分かりずらいのかもしれないですね」
専門家は「行動心理学を悪用した手法」
専門家は、「行動心理学を悪用した手法」と指摘しています。
コンセント 長谷川敦士 代表
「嘘のタイムセールであったりとか、『今、人気です』とか『何人の人が買っています』というような、焦って『買わなきゃ』という気持ちになってしまうような効果を狙って、お金を使わせる被害。それ以外にも、個人情報をユーザーの意に沿わない形で開示してしまったりする。こういう被害もあるということで、ダークパターンがより着目されるようになりました。
解約するために、例えば電話をかけなければいけないなど手続きを複雑化させたり、面倒にしたりして、消費者に『また今度にしようか』と思わせる。『諦めるか』という気持ちにさせる、こういうことも横行しています。」
どういう人が巻き込まれやすい?
コンセント 長谷川敦士 代表
「早とちりしやすい方とか、勢いで買ってしまう方が引っ掛かりやすいと思いますね。自分も巻き込まれる可能性があるんだ、ダークパターンである可能性があるんだということを意識をして、ある程度疑ってかかって慎重に。疑わしいサイトでは買い物やサービスを利用しないということも重要になってきます。」
消費者白書ではダークパターンにより、意図していた以上の金額を支払う可能性が高まる「経済的な損失」、個人情報収集による「プライバシーに関する被害」
そして、定期購入を解約しようとしても電話がつながらないなど、「心理的な被害や時間的な損失」といった被害が消費者に及ぶと指摘しています。