EUが対ロシア制裁14弾で合意、LNG積み替えを禁止

Julia Payne

[ブリュッセル 20日 ロイター] - 欧州連合(EU)諸国はロシアのウクライナ侵攻を巡る14回目の制裁措置を承認した。EU域内でロシア産液化天然ガス(LNG)を積み替えて第三国向けに輸出することを禁止する。

議長国ベルギーはXに「抜け穴を塞ぐことで既存の制裁の効果を最大化する」と投稿した。

ただ、第三国にあるEU企業の子会社に対し、ロシア向けの製品の再輸出を契約で禁止することを義務付ける措置は、ドイツの意向を受けて撤回された。

あるEUの外交官は、ドイツは影響評価を求めており、この措置は後で盛り込まれる可能性があると述べた。

LNGの積み替え禁止はロシア産LNGに対するEUの初めての制裁となる。しかし欧州は依然としてロシア産ガスを購入しており、またEUの港で積み替えてアジア向けに輸出されるLNGはロシアのLNG輸出全体の約10%に過ぎないことから、専門家は影響はほとんどないとの見方を示している。

今回の制裁は主要7カ国(G7)が設定した価格上限を上回る水準でロシア産原油を輸送するタンカーに対する措置も強化している。外交筋によれば、タンカーを制裁対象リストに加えたほか、北朝鮮から軍事装備を輸送するロシアの船舶少なくとも2隻も追加した。

EUの制裁リストには新たに47の団体と69の個人が追加され、合計で2200となった。外交筋によると、制裁措置は24日に開かれるEU外相会議で正式に承認される見通し。

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