東京地裁、みんなで大家さん販売の業務停止の効力停止認める

東京地裁は、みんなで大家さん販売から申立てられた、東京都による業務停止処分の効力停止を認めた。業務停止処分の効力を第一審判決の言渡後から7日が経過する日まで停止した。

都市綜研インベストファンドが運用する不動産共同保有ファンド「みんなで大家さん」の販売を手かげるみんなで大家さん販売は、手続違背や裁量権の範囲の逸脱又はその乱用を主張し、重大な損害を避けるために緊急の必要があると主張し、業務停止処分の効力停止を求めていた。

一方で東京都は、重大な損害を避けるために緊急の必要があるとの主張に該当せず、公共の福祉に重大な影響を及ぼすなどと主張し、申立の却下を主張していた。

東京都は6月17日、「みんなで大家さん」で投資商品として販売されていた「成田空港周辺開発プロジェクト」の事業プランの変更が、対象不動産である土地の資産性に大きく影響を及ぼす重要な事項と認識しながら、投資家に対して重要事項となる説明を怠っていたことや、開発許可の対象ではない土地を対象不動産に含んで誤販売した後、投資家との契約変更で不適切な行為を行ったことなどを受け、30日間の業務停止を命じていた。

5月には親会社の共生バンクが、成田国際空港近接地に複合施設「GATEWAY NARITA」を建設する計画を明らかにしている。敷地面積は約44.5万平方メートル、総延床面積は約38万平方メートル。開業時期は2027年3月を予定している。スクリーン面積が6,000平方メートルで5,000席超を備えたアリーナのほか、エリア最大級の客室数のホテル、日本食の輸出拡大などの研究開発に向けた研究開発施設、バスターミナル、駐車場棟などを備えるとしていた。

「みんなで大家さん」では18回に渡って「成田空港周辺開発プロジェクト」として個人投資家などから資金を調達しており、募集総額は1,900億円を超える。運用期間は約5年、想定利回りは7%と高く、開発状況が芳しくないとみられていたことから、SNSなどでは疑問の声が上がっていた。楽待不動産投資新聞がスキームに対して問題提起する記事を掲載していたものの、共生バンクなどグループ3社が刑事告訴を行ったと発表した後、記事を取り下げていた。

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