【イチバン!!】日本最速!札幌の女子高校生ドローンレーサー 世界大会に向け挑戦の日々

HTB『イチオシ!!』で水曜日にお送りしている「イチバン!」のコーナー。今日はちょっと珍しい競技で、日本でイチバンの女子高校生をご紹介します。

ものすごいスピードで宙を飛び回る、ドローン!

操縦するのは、札幌市内に住む高校2年生の佐藤姫夏さんです。実は姫夏さん、日本でイチバンになった女性ドローンレーサーなんです!

姫夏さんは、おととし(2022年)開催されたドローンレース全国大会の「エキスパートクラス」で見事優勝。去年(2023年)のジャパンドローンリーグでは、16歳にして、女性パイロット「年間1位」を獲得した『日本でイチバン』の女性ドローンレーサーです。

森唯菜アナウンサー「お疲れ様です。こんなかわいらしいのに、ものすごいスピードで飛ばしていましたね」

佐藤姫夏さん「ありがとうございます」

(Qみながら操作というよりも、ゴーグルされていましたよね)

姫夏さん「ここのカメラから見える映像がゴーグルで一緒に見えていて、ドローンの目線になって飛ばしている」

ドローンレースは、決められたコースを回り、そのタイムを競います。

土日は、北広島市内の練習場で、1日中練習をしているという姫夏さん。

(Qそもそもどうしてこのドローンのレースを始めた?)

姫夏さん「お父さんがもともとこういうラジコンをやっていて、それについてきていたのがきっかけです。思い通りに飛ばせたときに楽しかったし、タイムを縮めた時も楽しかった」

ドローンレースを始めたのは、小学5年生、11歳の時です。そこからわずか4年の間に大きな成長を遂げた姫夏さんは、去年の国内大会の通算成績から、ことし10月に中国で行われる世界選手権の女子日本代表に選ばれました。

家での努力も欠かしません。シミュレーションソフトを使って、毎日1時間以上、コントロールの練習をしているそうです。

幼いころから、父親の茂貴さんが操るラジコンヘリに興味津々の様子だったという姫夏さん。小学生の時に初めて、父親が買ってくれたおもちゃのドローンを飛ばしました。

佐藤茂貴さん「楽しそうでしたね。ずっと僕が飛ばしていたのも見ていたので、自分でやりたいという気持ちもあったでしょうし、やっと自分でできたという喜びがあったのかなと思います」

父親であり、ドローンのコーチでもある茂貴さんは、姫夏さんにとって、かけがえのない存在です。

姫夏さん「練習の時もレースのときもずっといてくれているし、アドバイスももらっているので心強く感じています」

茂貴さん「いつまで親父についてくるか、はらはらドキドキ。」

札幌市内の高校に通っている姫夏さん。レーサー姿のたくましさから一転、学校では、持ち前の明るさで周りを元気にしています。

姫夏さんの友人「めちゃくちゃノリが良くて、面白いことしゃべってくれてみんなでいつも笑っています」

友人たちが、実は姫夏さんがドローンレーサーの日本代表だと知ったのは、最近のことだったそうです。

友人「お昼ご飯食べているときに、みんな大体食べ終わった時に、「報告があります」みたいな」「世界一になってほしい」

姫夏さん「がんばる、ありがとう」

空知の由仁町で行われた「ジャパンドローンリーグ」。この大会は、男女混合で年間7回行われ、今回がことし3回目の開催です。姫夏さんは、最上級の「プロクラス」に出場します。

姫夏さん「緊張していますやっぱり。きょうは風がいつもより強くて流されたりするので、そのあたりを気を付けていきたい」

全国から集まった51人のうち、姫夏さんと同じ「プロクラス」は、15人。その中で、姫夏さんは、唯一の女性です。姫夏さんを目標とする女性レーサーもいます。

大会参加者の女性「(姫夏さんは)めっちゃ速い。女の子のレーサーなのに、キレッキレみたいな。あんなに速い女の子は見たことないので、びっくりしました、しかも年下…」

期待と注目が集まる中、姫夏さんの出番が回ってきました。

試合は3人ずつで行われ、予選2回のタイムから準決勝に進むことができるのは9人です。

コースの中には、ゲートをくぐりぬけなければならないところもあります。失敗した場合は成功するまでやり直さなければならないため、「冷静さ」も必要です。

予選は2回とも大きな失敗はしなかったものの、なんだか不安そうな、姫夏さん。

姫夏さん「2回目は1秒タイム上がったのですが、他のみんながそれ以上にタイムを上げてたので、厳しいです」

茂貴さん「このプロクラス、ベスト以上を出さないとダメなんですよ。ベストじゃダメなんですよ」

無事、予選を通過できるのか。発表の時。

「第8位佐藤姫夏さん」

見事、準決勝進出の上位9人に滑り込むことができました。

姫夏さん「準決勝はもうみんな速くて、よーいどんなので気後れしないようにできる限りやっていきたいなと思います」

そして迎えた準決勝。

「あ、くっそ!」

「ミスすんな、落ち着いて!」

途中、先頭を走る場面もありましたが、緊張のあまりミスが続いてしまった姫夏さん。途中で機体がバッテリー切れとなってしまい、決勝の舞台には届きませんでした。

姫夏さん「頭がいっぱいいっぱいで、冷静になり切れなかったなと思います。予選の時はすごくギリギリで、思うように飛ばせないときもあったのですが、準決勝で全力を出せたので、良かったなと思います」

茂貴さん「トップで1週目通過したので逆にプレッシャーになったのか。メンタルの勝負なんでたった90秒のレースですから」

90秒にかける世界。姫夏さんは、悔しさをばねに3か月後に控える世界大会での活躍を目指します。

姫夏さん「今回の準決勝も緊張でミスが多かったので、そういうミスとかも、どんな緊張でも耐えられるようにしていきたいです。世界戦では、女性1位を目指して頑張りたいです」

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