前橋空襲の市民ミュージカル、出演者を広く募集 節目80年で平和の尊さ共有を 来年8月に上演

来年の上演とオーディションについて説明する新さん

 1945年の前橋空襲から80年となる来年8月、空襲の惨禍を描いたミュージカル「灰になった街」が上演される。全ての出演者を一般から募る市民ミュージカルで、実行委員会は「節目に平和の尊さを多くの人と共有したい」と呼びかける。7月20日までオーディション参加者を募集している。

 作品は前橋女子高音楽部が初演。終戦70年を機に再構成し、市民ミュージカルとして2015年に上演した。その後、続編2本と合わせた「前橋空襲三部作」を1作ずつ、隔年で上演。「灰に―」はコロナ禍での延期を経て昨年、上演された。

 物語は、真珠湾攻撃の報に沸き立つ1941年から戦局の陰り、軍需工場の学徒や若手研究員の苦悩、そして前橋空襲を描く。

 先月、実行委の記者会見が開かれ、新陽一総監督は戦後80年に同作を選んだことについて「記念碑的作品」と説明した。過去2回の上演内容から、若者の苦悩を描いた場面で曲数を増やすなど、アレンジを検討。「全員アマチュアでシリアスな演題は挑戦。郷土にあった戦争を風化させない」と述べた。

 公演は来年8月2、3の両日。オーディションは今年8月11日、市内で開く。問い合わせは実行委の大谷明事務局長(☎090-2202-2611)へ。

© 株式会社上毛新聞社