レジェンド声優 30歳で超高額の借金背負う 返済直後は無一文で知人から1万円借りる

 レジェンド声優が若い頃の借金を明かした ※画像はイメージです(provk/stock.adobe.com)

 アニメ「タッチ」の主人公・上杉達也役や「キテレツ大百科」のトンガリ役、「さすがの猿飛」の猿飛肉丸役などで知られるレジェンド声優の三ツ矢雄二が、19日に公開された、テレビ朝日の公式動画サイト「動画、はじめてみました」で、1000万円を超える借金を背負った過去を激白した。

 三ツ矢は中学校卒業後に芸能事務所に入り、俳優として活動をスタート。1976年にNHK教育(現・Eテレ)の人形劇「プルルくん」で声優デビューした。その後1984年に後輩でアニメ「ONE PIECE」の主人公、モンキー・D・ルフィ役などで知られる声優・田中真弓と、ミュージカル劇団「プロジェクト・レヴュー」を立ち上げた。

 三ツ矢は当時を「27歳の時に仕事を降りたりして1月間ぐらいニューヨークへ行った。30歳で田中真弓と劇団を立ち上げた」とし、「1年間に4本も5本も(舞台を)やってた。しかもバンドは生でやってたりしたもんだから、お金かかっちゃってしょうがなくて。それを4、5年やっていたら、お金が続かなくなっちゃって、借金まみれになっちゃって」と告白した。

 さらに「僕がその借金を全部背負って払いますってことになって、解散したんです。本当に一瞬、無一文になりました」と回想。「もちろん、予算は考えたりしたんですけど、素人だからそこがうまくいかなくて、結局、劇団に使ったお金は3000万ぐらい。借金が1000万超えしてましたから」と、具体的な額も明かした。

 それでも「その当時、レギュラーで多いときで週に11本ぐらいやってました」と売れっ子だった三ツ矢は、何とか借金を完済。「全部払って無一文。明日の仕事に行くお金もないと。なので、親友の戸田恵子さんにお願いして、1万円をお借りして」と、アニメ「アンパンマン」の主役でも知られる女優・戸田恵子の助けを受けていたことも告白した。

 それでも「劇団だから、自分で台本書いてるし、演出してるし、新人たちを育てていたわけだから、それが仕事につながってきてるんだよね」と、後に生きた経験も説明。「ものを書く仕事とか、演出する仕事、音響監督をする仕事、養成所の先生とか、そういうことに全部つながってきてるから、ちょっと高い授業料は払いましたけども、無駄にはなってないと思う。十分、3000万円は取り返した」と高笑いした。

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