【一生ものにしてほしいレシピを大公開】きほんの梅酒のつくり方と「梅しごと」Q&A

1年のうち、限定された季節に出合う「梅しごと」。最小限の手間と道具で作れる、一生ものにしてほしいレシピをご紹介。きほんの梅酒や、さまざまなお酒を使う梅酒バリエーション、気になる梅しごとQ&Aもお届けします。

心と体の滋養 一生ものレシピきほんの梅酒

暑さや湿気に疲れた心身を癒してくれる甘さと酸味。ロックで梅本来の味や香りを楽しむもよし、炭酸で割ってさわやかさを楽しむもよし。食欲を増進しながら消化をスムーズにする効果もあるそうなので、食前酒にもぴったり。

●材料(作りやすい分量)
青梅……1kg
氷砂糖……1kg
焼酎(ホワイトリカーなど30度以上のもの)……1.8L

●下準備
・梅はサッと洗い、竹串でヘタを除く
・かぶるくらいの水に30分間つける

●作り方
(1)梅の水けを丁寧に拭く。

(2)消毒した保存瓶に青梅と氷砂糖を3回くらいに分けて交互に入れ、焼酎をそそぐ。

(3)直射日光の当たらない常温の場所で、氷砂糖が溶けるまで時々揺すりながら3カ月ほどおく。

ベースのお酒を変えて 梅酒バリエーション

きほんの梅酒では、安価でクセのない焼酎(ホワイトリカー)を使いますが、おなじみのお酒でワンランク上の梅酒に仕上げるのもオツなもの。

●材料(作りやすい分量)
青梅……500g
氷砂糖……300~400g
好みのお酒(ブランデー/ラム酒/日本酒)……700ml

上の「きほんの梅酒」と下準備と作り方は同じ。

●ラム酒で
右 : ラムレーズンでおなじみの香りと味は梅との相性抜群。ケーキを焼くときの風味づけにも最高。

●ブランデーで
中央 : 濃厚でリッチ。2000円前後で買える紙パックの「果実酒用ブランデー」で美味しく作れます。

●日本酒で
左 : 梅の酸味がまろやかになり、自然な甘さとうまみが引き出されます。注意点はアルコール度数20度以上の日本酒を使うこと。20度以下のものを使うと酒税法違反になります。日本酒の多くはアルコール度数20度未満なので、「果実酒用日本酒」を。

梅酒の使い道

夏じゅう何度も梅ゼリーを作りながら、お肉を美味しくしたいときにも梅酒を活用。

●大人の極上デザートほろ酔い梅ゼリー
水と梅酒をゼラチンや寒天で固めて完成。梅の実を入れれば華やかに。水と梅酒の割合は好みでOKですが、アルコールを感じたいときは4:6程度で。

●特売肉を高級肉の味わいに
どんな肉にもおすすめ。肉を柔らかくして味に深みを出します。調理の前にもみ込んだり、しょうゆと一緒に煮込んで。かたまり肉は一晩漬けましょう。

虫食いや傷がある梅は使えない?

使えるので捨てないで。ただし虫食いや傷があるところから雑菌が入って傷みやすいので、その部分は包丁で切り落としましょう。斑点があるものはそのまま使ってOK。

もっと美味しく作りたいから 梅しごとQ&A

Q1 梅は入れっぱなしにしてもいいの?

A 1カ月経ったら取り出しましょう
梅がシワシワになったら「エキスが出切ったよ」のサイン。入れっぱなしでも害はないですが、発酵して味が変わる可能性があるのと、にごりの原因になるので取り出すのが望ましいでしょう。

Q2 梅の実をシワシワにしない方法は?

A シワシワはむしろ大歓迎。風味と成分がしっかり出ている証拠です
梅の果肉に含まれたエキスがシロップやお酒に出ていくことで、梅にシワができます。だからシワは梅の勲章!青梅はシワシワになりやすく、完熟梅はなりにくい傾向があるようです。

Q3 漬けたあとの梅は使えますか?

A 果肉感が残っていれば、美味しく活用できますシワがあってもジューシーさが残っていたら、捨ててはもったいないですよ!お肉と一緒に煮て風味付けにしたり、しょうゆを1カップ入れた瓶に2~3個入れて梅じょうゆにして、刺身や冷ややっこにどうぞ。

Q4 梅のお取り寄せをしてみたい!

A [梅 農家 販売]などでネット検索してみて
お取り寄せはお店やスーパーで買うのとは違う楽しさがありますよね。私も産地の農家さんを探して、毎年取り寄せています。ふるさと納税の返礼品で探してもいいですね。

●奈良から取り寄せ 古城梅(ごじろうめ)
一番早く出てくる梅で青梅が多い。毎年梅仕事のスタートは、これで梅シロップを作ります。

●小田原から取り寄せ 杉田梅(すぎたうめ)
品種改良をしていない貴重な種で、産出量が少ない。クエン酸が多く、とにかく酸っぱくて美味。

●和歌山から取り寄せ 南高梅(なんこうばい)
各地で作られていますが、私は本場の和歌山から取り寄せてます。実が大きく果肉が多い。

ちょっと元気が出ない日は梅養生

・ホット梅シロップ
・ホット梅酒

疲れた日や、風邪かもと思ったら、薬を飲む前に飲みます。酸っぱさで元気が回復し、体も温まる。眠りも深くなる気がします。

<教えてくれた人>
ワタナベマキさん
グラフィックデザイナーを経て料理家に。子どもの頃、祖母や母と梅干しを手作りして以来の梅愛好家。今は毎年およそ40キロの梅を和歌山や小田原、奈良などから取り寄せ、梅シロップや梅酒、梅干し作りを楽しむ。『ワタナベマキの梅料理』(NHK出版)など著書多数。

参照:『サンキュ!』2024年7月号「始めますか。梅しごと」より。掲載している情報は2024年5月現在のものです。監修・撮影/ワタナベマキ イラスト/酒井真織 取材・文/サンキュ!編集部 編集/サンキュ!編集部

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