世界自然遺産の知床半島に携帯電話の基地局を整備する計画を巡り、羅臼町の湊屋稔町長が「人命を第一に考え、計画通り推進することを切に願う」との声明文を、町のホームページに掲載しました。
基地局の整備計画は、おととし4月に乗客乗員26人を乗せた小型観光船が沈没した事故を受けて、国や事業者などが進めてきました。湊谷町長の声明文は18日付で、観光船沈没事故の以前から基地局の整備を求めてきたと説明した上で、「知床海域での安全を確保し、安心して操業できる環境整備を行い、漁民の命を守ることこそが、町長としての使命」としています。
計画では、知床岬付近に基地局を整備するため、およそ7000平方メートルに264枚の太陽光パネルを設置するほか、およそ2kmにわたり土を掘り返し電線などを埋める予定です。
一方、同じく地元の斜里町は、環境や景観を損ねる可能性があるとして計画の見直しを求めています。また、専門家からなる科学委員会も、国に対し工事の中断と周辺環境の再調査を求めています。
工事は現在、猛きん類の専門家から知床岬周辺にオジロワシが生息している可能性がある指摘され、中断しています。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1176517899746361890/origin_1.jpg)