「形が違うのになぜ間違うのか」岩手県民激怒…マンション広告が県の象徴「岩手山」と青森「岩木山」取り違え 盛岡市が業者に抗議

岩手・盛岡市に建設中のマンションのチラシに使われたのは、そこにあるべき「岩手山」ではなく青森県にある「岩木山」だったーー。“県のシンボル”として親しまれる山を巡るミスに多くの県民も激怒、市が不動産会社に抗議する事態となった。一方、不動産会社は「心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

「岩手山ビューと圧倒的な解放感を愉しむ」との宣伝文句

問題となっているのは、盛岡市などで6月上旬に投函された、建設中の14階建てマンションのチラシ。

街を見下ろす高層マンションの目の前には頂に雪を残した山がそびえ立っていた。

さらにチラシには「岩手山ビューと圧倒的な解放感を愉しむ」との宣伝文句が踊っていた。

しかし、そこにあるはずのない山が映っていたのだ。

盛岡市役所の職員は、チラシを一目見て間違いに気づいたという。

盛岡市 景観政策課・三橋一仁課長:
山のシルエットが全く違いますので。これは明らかに違う山だなと分かる。

チラシの山は、「岩手山」ではなく青森県にある「岩木山」だというのだ。

2つの山を見比べると「岩木山」(青森)の方には山頂の他にもう一つとがっている部分があるのが分かる。

チラシの山にも同じような場所が確認できた。

岩手県民「山の形が違うのになぜ間違うのか」

誇りである「岩手山」を間違えられたことに県民の怒りは収まらない。

「信じられない。岩手県民であればまず間違えない。岩手のシンボルですからね」
「全然形が違う。え!?と思った。間違うことあるの?あり得ないと思う」
「現場に来たことがないんですよ。広告をデザインした人が…。山並みの稜線が全然違うから。岩木山がどうの岩手山がどうのではなく山の形が違うのになぜ間違うのか」

盛岡市の内舘茂市長はSNSにこう投稿した。

「内舘しげる」公式Xより
このたびの写真の取り違えは、誠に遺憾であると思っております
岩手山は私たち盛岡市民にとってシンボル的な存在であり、先輩方のたゆまぬ努力によりその眺望が確保されてきました
事業者には、一層の慎重さをもって、市民感情に寄り添う配慮をお願いいたしました

市はマンションを手掛けた不動産会社「タカラレーベン」に抗議したという。

なぜ間違った山をチラシに掲載したのかーー。

イット!が「タカラレーベン」の広報担当者に取材したところ「岩手山の積雪量をCGで調整しようとした際に、参考にした岩木山を誤って掲載していました」と説明した上で、「岩手山に特別な思いを持つ多くの方々の気持ちを蔑ろにしてしまうような事態となりましたことを、心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
(「イット!」 6月20日放送より)

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