EURO2024・グループC第2節が19日に行われ、スロベニア代表とセルビア代表が対戦した。
EURO2024予選でグループHに入ったスロベニア代表は、デンマーク代表に次ぐ2位で本大会出場権を獲得。デンマーク代表との再戦が実現した今大会グループステージ初戦では、前半に先制を許したものの、エリック・ヤンザが同点弾を挙げて勝ち点「1」を奪取し、国際Aマッチ7戦無敗と好調を維持して第2節を迎えた。
対するは、ドラガン・ストイコビッチ監督の下でEURO初出場を掴み取ったセルビア代表。イングランド代表と激突した初戦は黒星を喫したものの、時間が経過するにつれて本来のパフォーマンスを取り戻し、大きな期待が持てる内容で優勝候補相手に戦い抜いている。
今大会初勝利を狙う両国による一戦は、立ち上がりからスロベニア代表がペースを握る。8分にハーフライン付近でセルビア代表からボールを奪い、ペタル・ストヤノヴィッチが前線に走り出したベンヤミン・シェシュコへとフィードを蹴り入れる。頭で繋いだパスにヤン・ムラカルが反応すると、そのまま華麗なタッチでペナルティエリア内に侵入。右足でゴールを狙うが、シュートはGKの正面に飛んでしまった。
一方のセルビア代表も、27分に敵陣深くでスローインを獲得し、ボールを受けたイヴァン・イリッチが味方とのワンツーから左足でクロスを供給。ニアサイドで待ち受けていたドゥシャン・ヴラホヴィッチが倒れ込みながらヘディングで合わせたものの、シュートはスロベニア代表の守護神ヤン・オブラクに防がれた。
そんななか、37分にスロベニア代表が決定機を作り出す。左サイドでパスを受けたエリク・ヤンジャのクロスはクリアされたものの、こぼれ球を拾ったティミ・マックス・エルシュニクがボックス内に縦パスを差し込む。相手にカットされたボールを自ら回収し、DF1枚を抜いてシュートを放つが、これは惜しくも右ポストへと直撃。跳ね返りをシェシュコがシュートに持ち込んだが、ボールは枠を捉えきれなかった。
後半開始直後の47分には、セルビア代表のセンターバックを務めるニコラ・ミレンコヴィッチがロングパスを供給。クリアボールを回収してパスを繋ぎ、アレクサンダル・ミトロヴィッチがドゥシャン・タディッチとのワンツーでペナルティエリアに抜け出す。しかし、右足から放たれたシュートは、GKオブラクが体を張ってセーブした。
58分には、スロベニア代表が自陣からカウンターを仕掛ける。味方からパスを受けたシェシュコがドリブルを開始し、エルシュニクとのワンツーでピッチ中央を突破。ボックス左角で右足に持ち替え、狙い澄ましたコントロールショットを放つが、GKプレドラグ・ライコヴィッチが右手一本で掻き出した。
すると、69分に均衡が破られる。スロベニア代表のジャン・カルニチニクが自陣右サイド深くでボール奪取に成功すると、1人で長い距離を運びながら左サイドに展開。パスを受けたエルシュニクがボックス内にドリブルで侵入してクロスを送り、大外から駆け上がってきたカルニチニクが流し込んで先制点をマークした。
リードを許したセルビア代表は、72分にクロスからアンドラジュ・シュポラルがシュートを放つが、クロスバーにヒット。83分には途中出場のラザール・サマルジッチが、華麗なタッチで相手を翻弄しながら左足でゴールを狙ったものの、わずかにボールは枠の右に外れてしまう。
しかし、このまま終了かと思われた後半アディショナルタイムに劇的な結末が待っていた。セルビア代表が右サイドでコーナーキックを得ると、GKライコヴィッチも攻撃に参加。このままではグループステージ敗退が決まる状況のなか、イリッチの送ったクロスにルカ・ヨヴィッチが頭で合わせる。GKオブラクが見送ったシュートはネットを揺らし、土壇場でセルビア代表が同点に追いついた。
結局、試合はそのまま1－1で終了。両者で1ポイントずつを分け合い、決勝トーナメント進出の行方は最終節に持ち込まれた。グループC最終節は25日に行われ、スロベニア代表はイングランド代表と、セルビア代表はデンマーク代表と対戦する。
【スコア】
スロベニア代表 1－1 セルビア代表
【得点者】
1－0 69分 ジャン・カルニチニク（スロベニア代表）
1－1 90＋5分 ルカ・ヨヴィッチ（セルビア代表）
