輪島朝市、地元で「復活」 7月10日、市内商業施設で

7月10日の営業開始に向け出店場所を確認する朝市の商店主=輪島市宅田町

 能登半島地震で大規模火災に見舞われた輪島朝市が7月10日、輪島市内の商業施設で復活することになった。市中心部にある「パワーシティ輪島ワイプラザ」内のスペースを借り、オレンジ色のテントを常設して対面販売を行う。出店を予定する商店主は「ようやく地元で朝市を開ける」と歓迎し、焼失した朝市通りでの営業再開を見据え、なりわいをつなぐ決意を新たにしている。

 ワイプラザは市立輪島病院近くの宅田町にある商業施設で、食品スーパーのほか、衣料品店などが入居する。朝市の店舗が営業するのはスーパーとテナントエリアの間に位置する広いスペースで、テント20張を設ける。鮮魚などを扱う店には冷凍棚があるスーパーの一角を利用してもらう。

 20日、同所で出店説明会が開かれ、ワイプラザを運営するヤスサキ(福井市)と輪島市朝市組合が開設時期を決定した。組合によると、初日は40店以上が参加する見通しとなっている。

 ヤスサキは、テナント料や光熱費を無料とする考えで、南部雅彦執行役員営業本部長(51)は「幸い、内部のスペースに余裕がある。朝市として使ってもらうことで地域の人に元気になってもらいたい」と話した。

 説明会には約40人の朝市組合員が参加し、出店スペースや搬入口、陳列方法などを確認した。輪島朝市で50年余り鮮魚を扱ってきた浜木妙さん(76)は「地元で商売ができて本当にうれしい。冷蔵棚があるので夏場でも衛生環境が良くて助かる」と笑顔を見せた。

 生花を販売する中津弘子さん(80)は「屋根もエアコンもあってありがたい。地震でやめようと思ったけど、あと1、2年は頑張ってみようかね」とやる気を口にした。冨水長毅(とみずながたけ)組合長(55)は「金沢などでの出張朝市には参加できない組合員も多い。輪島で場所を借りられたのは本当にありがたい」と話した。初日の7月10日と11日は午前9時から営業する。同12日以降は組合員が出店日や時間を決める。

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