【資産運用】資金100万円で挑戦したいのですが、できるだけ損はしたくありません…そんな夢のような商品ってあります?

現役FPが「商品を選ぶポイント」を詳しく解説

6月は一般的なボーナス月のひとつ。余剰資金の使い道として資産運用を検討している人もいるでしょう。

なかでも初めて資産運用に挑戦する場合、どんな商品を購入したら良いのか、迷ってしまう方もいるかもしれません。

資産運用を始める前に、個別株式、投資信託、国債など、さまざまな金融商品の特徴や、商品選びのポイントを知っておくと安心です。

今回は、ファイナンシャルプランナーである筆者に寄せられた投資商品に関する質問について回答していきます。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

質問者のプロフィール

〈質問者〉
K.Hさん
女性/会社員/32歳

〈家族構成〉
独身 将来は結婚したいと考えている

〈相談内容〉
今までの貯金100万円を使って、資産運用にチャレンジしたいと思っています。

お得に投資ができるNISAを活用する予定ですが、できるだけ損はしたくありません。どんな商品を購入したら良いですか。

また、いくつくらいの商品に分散投資をしたら良いのでしょうか。

次の章から、現役FPである筆者の回答を公開していきます。

「どんな商品がおすすめですか?」の回答

NISAで資産運用に挑戦する場合、世界の国々に分散投資を行っている、インデックス投資信託がおすすめです。

【写真全3枚中1枚目】つみたて投資枠対象商品の信託報酬率の分布(2024年5月時点)2枚目では、投資先を内外・海外とする指定インデックス投信の推移を掲載。

インデックス投資信託は、日本の日経平均株価や、アメリカのS&P500のような、経済指標と同じような値動きをする投資信託のこと。

商品の仕組みが分かりやすく、手数料が安いものが多いという特徴があります。

また、インデックス投資信託は1本でさまざまな国や地域、会社に投資するため、1つの商品を保有するだけでも十分分散投資を行うことができます。

ただし、ご質問者の場合には投資資金が100万円あるため、たとえば50万円ずつ2つの商品に投資するのも良いでしょう。

先進国や新興国など、今はどんな地域の商品価格が上がっているのか、など経済の動きが見えて、資産運用の楽しさを感じられるかもしれません。

筆者がおすすめするインデックス投資信託として、以下のような商品があります。

現役FPおすすめ「インデックス投資信託」一例

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    (三菱UFJ国際投信株式会社):全世界株式に分散投資
  • 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
    (楽天投信投資顧問株式会社):全世界株式に分散投資
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
    (三菱UFJ国際投信株式会社):先進国株式に分散投資
  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
    (三菱UFJ国際投信株式会社):新興国株式に分散投資
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
    (三菱UFJ国際投信株式会社):アメリカの主要な株式に分散投資
  • 楽天・S&P500インデックス・ファンド
    (楽天投信投資顧問株式会社):アメリカの主要な株式に分散投資

インデックス投資信託の投資先として、アメリカや日本などの先進国の方が、ブラジルや中国などの新興国に比べて、ローリスクローリターンだと言われています。

投資先を内外・海外とする指定インデックス投信の推移

できるだけ損をしたくない、堅実に少しずつお金を増やしていきたいと考えている場合は、全世界に投資をしているインデックス投資信託か、先進国のインデックス投資信託を購入しましょう。

少しリスクをとりながら大きな利益を狙いたい方は、新興国のインデックス投資信託と先進国のインデックス投資信託に分散投資をしながら保有するのもおすすめです。

次の章では、初心者こそ知っておきたい資産運用における「商品選び」のポイントを解説していきます。

【資産運用】失敗しにくい「商品選び」のポイント

次に、NISAでおすすめしたい「インデックス投資信託」を選ぶ際のポイントについてチェックしていきます。

  • 信託報酬(手数料)が低い商品を選ぶ
  • 売れ行きランキングが上位の商品から選ぶ

NISAの資産運用において、投資信託を保有している期間中に支払わなければならない信託報酬(手数料)は、最も大きなコストになります。

できるだけコストを抑えれば、運用の利益を大きくすることが可能。

インデックス投資信託の中でも、信託報酬(手数料)が低い商品を選びましょう。

そして、とくにこだわりがなければ、多くの投資家が購入しているネット証券の「人気商品ランキング」上位のものを選ぶのがおすすめです。

このような人気商品は流動性が高く、商品に関する情報も多い特徴があります。

投資信託自体が破産してしまうデフォルトリスクも低いので、より安心して投資を続けることができます。

次の章では、見落としがちな「日本国債」という選択肢について解説します。

多くの人が見落している「日本国債」という選択肢

ご質問者には「できるだけ損をしたくない」という希望があるようですね。

この場合、インデックス投資信託よりもさらにリスクが低いと言われている「日本国債」の購入も検討してみましょう。

「個人向け国債」を買った理由は?

日本国債は、国が発行する「借金」のこと。

借金というと聞こえが悪いかもしれませんが、日本という国が破綻しない限り国債で損することはないとされています。

より安心して資産運用を行うことができるといえるでしょう。

ただし、日本国債の運用利益は、インデックス投資信託に比べて低くなる可能性があります。

日本国債は、NISAでは購入することができません。証券会社や銀行などの一般口座を使って購入する必要があります。

ご質問者の場合、たとえば100万の投資資金のうち、50万はネット証券のNISA口座でインデックス投資信託を購入、残りの50万円は日本国債を購入するなど工夫できそうです。

損をするリスクをさらに減らし、安心して資産運用を続けることができるでしょう。

まとめにかえて

NISAで投資する商品を選ぶ際は、まずインデックス投資信託をチェックしてみるのがおすすめです。

さらに損をしたくないという方は、日本国債の併用も検討してみましょう。

初めての資産運用で商品選びに迷っている方は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、始めてみてはいかがでしょうか。

参考

  • 金融庁「つみたて投資枠対象商品の分類(2024年5月15日時点)」
  • 三菱UFJ国際投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
  • 楽天投信投資顧問株式会社「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」
  • 三菱UFJ国際投信「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」
  • 三菱UFJ国際投信「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」
  • 三菱UFJ国際投信「eMAXISSlim米国株式(S&P500)」
  • 楽天投信投資顧問株式会社「楽天・S&P500インデックス・ファンド」
  • 財務省「個人向け国債が選ばれる理由:個人向け国債6つの特長」

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