建退共本部/運営委員会・評議員会開く、23年度電子申請は4・97%

勤労者退職金共済機構(勤退共、梅森徹理事長)の建設業退職金共済事業本部(建退共本部)は20日、東京都内で第54回運営委員会・評議員会を開いた=写真。2023年度の事業概況や現状の課題などを報告。建退共本部が利用促進に取り組んでいる電子申請方式の状況をみると、23年度の掛け金納付率全体に占める電子申請の比率は4・97%(目標6・0%)だった。
梅森理事長は電子申請について「建設キャリアアップシステム(CCUS)と連携できるなどのメリットがあるが、十分に活用されていない。今後もさまざまなアプローチを工夫しながら普及拡大を働き掛けていく」とした。
建設業法、公共工事入札契約適正化法(入契法)、公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)、測量法の改正による「第3次担い手3法」が今国会で成立したことにも触れ、「法改正の趣旨を踏まえた事業運営に万全を期す」と力を込めた。
CCUSとの連携では、25年秋に新システムの供用開始を予定する。技能労働者は技能者パスポートから建退共の情報を閲覧できるようになる。CCUSとの連携により、事務負担を軽減し、電子申請の活用促進につなげる。
23年度は10万5230人が加入し、目標を3・2%上回った。建退共から中小企業退職金共済(中退共)制度への移動件数は3015件で、掛け金は21億2000万円が移動した。移動後の動きを追跡すると、建退共の掛け金が月6720円なのに対し、中退共移動後の6割が7000円以上の掛け金を選択していることが分かった。高い価格帯のニーズがあるとして、より高額の掛け金の設定についても引き続き検討する。
23年度末時点の共済契約者数は17万4673事業所(前年度比0・1%増)、被共済者数は212万2814人(0・7%減)。掛け金収納額は581億4百万円(0・8%増)、退職金支払総額が593億29百万円(1・6%減)、支払人数は6万3785人(3・1%減)、退職金の平均額は93万円(1・5%増)、資産運用残高は1兆0896億円(3・0%増)だった。

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