Number_i、初単独公演で見せた最高地点の強さと本当の“再会” フェス出演、アルバム発売――挑戦の夏へ

Number_iが、初の単独ライブ『No.O -ring-』を6月18日から20日までの3日間にわたって有明アリーナで開催した。

今年1月にデビューしたNumber_iがライブのステージに立ったのは、本公演が3度目になる。グループとしての初ステージは、3月14日から17日まで東京ドームで行われたTOBE所属全アーティストによるコンサート『to HEROes ~TOBE 1st Super Live~』(以下、『to HEROes』)でのことだった。

『to HEROes』でのステージは、所属グループ“お披露目”という意味もありつつ、Number_i、そして平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太の個人で見れば、待ってくれていたファンと再会を果たした場所でもあった。

「GOAT」や「Blow Your Cover」などでは洗練されたパフォーマンスで魅了しつつも、「Is it me?」で互いに声を掛け合ったり、アンコールで再び歌われた「GOAT」では本来の歌割りをシャッフルしたり、観ている側も思わず笑みがこぼれてしまうような光景を何度も見せてくれた。ライブを観ながら、「3人が帰ってきた」とあらためて嬉しく思ったファンも多かったはず。東京ドームは、昨年10月15日に彼らがグループ結成を発表した場所でもある。当日の裏側を撮影した映像で、平野が「今度はまた違う形で戻って来れたらいいね」と語っていたが、それが早くも叶う形となった。

それから約1カ月後、日本時間の4月15日に、Number_iは『Coachella Valley Music and Arts Festival 2024』(以下、『コーチェラ』)に初出演した。世界中に名の知られた最大級のフェスに出演するという、大きな挑戦だ。ましてやフェス自体、彼らは初出演。不安や緊張もあったのではないかと思うが、堂々としたパフォーマンスに加え、「GOAT」ではGOT7のJackson Wangとコラボレーションするというサプライズでも驚かせてくれた。グローバルで活躍する夢がぐっと近づいた『コーチェラ』。間違いなく、グループの歴史に深く刻まれる一日になったと思う。

そして迎えた、今回の有明アリーナ公演。Number_iとしては初の単独ライブである。直前にIMP.、北山宏光も単独ライブを行っており、それぞれ独自の世界観を詰め込んだステージを作り上げていた。Number_iもまた、「BON」では楽曲のコンセプトに沿った和の演出、たくさんこだわり抜いたのであろう、単独ライブだからこそできる彼ららしいパフォーマンス――今の彼らを示す力強いステージを見せてくれた。公演の模様は8月16日19時よりAmazon Prime Videoで世界独占配信されるが、デビュー半年間の活動の集大成となったはずだ。

また、今回のライブ内で、ファンネームが“iLYs”(アイリーズ)に決定したことも発表された。MCでは客席を奥まで見渡して「会えたね!」「ちゃんと見えてるからね!」と嬉しそうに手を振っていた3人。ライブは、お互い支え合っているファンとアーティストが直接コミュニケーションを取れる大切な場所でもある。iLYsとの相互の愛を感じ、彼らにとっては、大きな自信にも繋がったのではないだろうか。

デビューからの半年間、グループとして“初”のライブステージを重ねてきたNumber_i。今後のライブ活動としては、直近で8月11日に『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』、8月17日と18日には『SUMMER SONIC 2024』への出演が控えている。国内フェス初出演という、またしても新しい挑戦となる。

雑誌やラジオのインタビューで、「多くの人に自分たちを知ってもらいたい」「ひとりでも多くの人にパフォーマンスを届けたい」と語ってきた3人。『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』や『SUMMER SONIC 2024』は、国内の大型フェスへの初出演でもあり、まだNumber_iの音楽に触れたことのない人へもパフォーマンスを届けることのできる、絶好の機会になるだろう。初出演とはいえ、『to HEROes』、『コーチェラ』、そして『No.O -ring-』を経て感じたこと、培った自信を力に変えたステージを見せてくれるのではないだろうか。

3日間の単独公演を完走したあとも、Number_iは走り続ける。9月には、1stアルバム『No.I』のリリースも決定した。ライブ活動を含めた嬉しい動きが多数あった春を越え――楽しみの続く夏がやってくる予感がしている。

(文=かなざわまゆ)

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