【広島】〝遅れてきた助っ人〟ハーンがいよいよ本領発揮へ 直球の「高速化」にも自信

快投を続ける広島・ハーン

リーグ戦再開後のキーマンかもしれない。新井監督率いる広島は21日の中日戦(バンテリン)からリスタート。5月時点までのセの戦いではベールに包まれたままだった新戦力がフル稼働の機会をうかがっている。新助っ人・ハーンだ。

メジャー通算101試合、1メートル98センチ、104キロの体格からしなやかな腕の振りが特徴の左腕は来日直後のキャンプでは故障もあり、出遅れた。だが、4月25日に二軍のウエスタンでデビューすると10試合で無失点、1か月後の5月26日に初昇格し、交流戦の同29日のオリックス戦で一軍デビュー。常時150キロ台の角度のある直球とスライダーのコンビネーションを軸に全6試合で無失点と快投を続けている。交流戦ラストの楽天3連戦では、来日初セーブや初ホールドも記録。ブルペン陣の一角に定着した。

そんな助っ人にとっては21日からは同一リーグでの〝デビュー戦〟。セの強打者を相手にさらなる進化も予告した。

ここまで一軍では打者19人に対して投じた球種の約85%は直球とスライダー。他にツーシームとチェンジアップを操り、中でも1球程度しか投げていないチェンジアップは「特に隠しているわけじゃないけど、もうちょっと使っていきたい気持ちはもちろんあるよ」と解禁する予定。さらに来日後の直球の最速は154キロだが「季節が暑くなれば体ももっとほぐれてくるし、シーズンが進めば、直球は98、99マイル(157~159キロ)ぐらいまで出る。今はもう、そういうコンディションにはあるね」と直球の〝高速化〟にも自信をみせた。

メジャー時代には最速160キロも計測。レンジャーズに在籍した2021年は登板42試合で92個、22年には同31試合で97個と高い三振奪取能力を誇っていた。それだけに球種増と直球のさらなるスピードアップで期待が膨らむのは、6・00にとどまっている奪三振率のアップだ。さらに〝無双化〟が進めば、リーグ2位の救援防御率2・02とハイレベルな中継ぎ陣のなかでも、外せないリリーバーとなりそうだ。

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