この人いなかったら地球滅亡してたかも? 『ドラゴンボール』人類を守った“意外すぎるキャラ”

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1984年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載がはじまった、鳥山明さんの名作バトル漫画『ドラゴンボール』。本作ではたびたび地球に大きな危機が訪れるが、主人公の孫悟空をはじめ、悟飯やベジータなどの主要メンバーがピンチを救ってきた。しかしそれ以外にも、実は意外なキャラが地球を滅亡から守っていたものだ。そこで、作中に登場する、地球や人類を救った意外なキャラを見ていこう。

■ギャルのパンティが欲しかった? ピラフ大王の野望を阻止したウーロン

まずは、初期メンバーとして長く悟空たちと一緒にいたウーロンだ。

ウーロンはさまざまなものに変身できる特技を持っているが、どうしようもないスケベな子豚だ。村の女の子を誘拐して嫁にしようとし、ドラゴンボールを探しにきた悟空に懲らしめられたことをきっかけに一緒に行動するようになった。

ちなみに初期のころはブルマが作った「PPキャンディー」を飲まされてしまい、「ピーピー」と言われると腹痛をもよおしお腹を下してしまっていた。ウーロンの逃亡予防のためとはいえ、ブルマの言いなりとなっていた悲しいキャラでもある……。

そんなウーロンも密かに活躍している。フライパン山が火事に見舞われた際、亀仙人のスケベな要望に応えたのはブルマに変身したウーロンだった。まあ、そんなことをしなくても最終的に助けてくれたとは思うのだが……。

そして、世界征服を企むピラフ大王がドラゴンボールを集めて神龍を呼び出すと、「ギャルのパンティおくれーっ!!!!!」と魂の叫びでピラフ大王より先に願いを伝える。ウーロンのスケベ心は、名実ともにピラフ大王の野望から地球を救ったのだ。

でも、ピラフ一味の世界征服ってどんなものなのだろう……今となってはそれもちょっと興味があるな。

■悟空の窮地を何度も救った風来坊…ベジータの仲間にしてもらおうと必死だったヤジロベー

次は、ピッコロ大魔王編から登場したヤジロベーだ。初登場時は悟空と互角の実力を披露しており、刀を使う強キャラとして扱われていた。修行して強者と戦っていく『ドラゴンボール』の世界で、努力を嫌い、余計なひと言も多いというなんとも味のあるキャラだ。

そんなヤジロベーはピッコロ大魔王との戦いで負傷した悟空を背負ってカリン塔にのぼっており、悟空が超神水を飲んでパワーアップすることに貢献している。彼がカリン塔へ連れて行かなかったら、もしかしたら悟空は死んでしまっていたかもしれない。

さらに、空中でピッコロ大魔王を撃破し、動けずに落ちてくる悟空を寸前で助けたのも彼だった。この時点ですでに2度も悟空を救っているが、のちの展開を考慮すると、悟空の命を助ける=地球や人類を救っているのと同じである。それだけでもすごい活躍だ。

極めつけは、サイヤ人編でのベジータとの対決だ。ヤジロベーは大猿となったベジータの尻尾を斬り落とし、またも悟空の窮地を救った。しかも斬り落としたあとにすぐさま逃げているのがなんとも面白い。さらにその後、悟飯が殺されそうになったときにも、背後からベジータの背中を斬りつけるという勇姿を見せている。

ヤジロべーの攻撃を受けて倒れたベジータに向かって、「てめーなんかが このヤジロベーさまに かなうわけねーだろ!!!!」と、散々悪態をつくヤジロベー。さっさとトドメを刺せばいいのに……そうして悦に浸っている間にベジータが復活。

すると一転、「ごっ ごめんっ!!! いたかった!?」と開き直って謝りながら「キミを尊敬してるんだ!!! なっ 仲間にしてくんない!?」と、命乞いをしはじめるのも最高だったな。まあ、このシーンがあったおかげで悟飯が大猿に変身できる隙ができ、最終的に深刻なダメージを負ったベジータは地球を去っていくので人類は救われたのだった。

それにしても大猿ベジータって戦闘力が10倍だろうから、もともとの戦闘力1万8千の10倍で、単純に18万くらいあるはず。そんな化け物を相手によく尻尾を斬れたものだな。

■やっぱり世界のヒーローといえば…地球上の元気を集めたミスター・サタン

最後は人類にとって最高のヒーローといえるミスター・サタンだ。強さがインフレ化していったナメック星編以降、一般人として世界チャンピオンに輝いていたのが彼である。

セル編での初登場時はただのお笑いキャラとして存在しており、セルゲームで果敢にやられた挙げ句仮病を使うなど、とことんヘタレっぷりを見せていた。

しかし、根はいいヤツで、首だけになった人造人間16号の頼みを聞いて悟飯が覚醒するきっかけを作る。この結果、セルは爆死し地球は救われることに。そして、その場に居合わせたカメラマンとリポーターに自分がセルを倒したとアピールをしたことで、世界中を恐怖に陥れたセルを倒した英雄として崇められるようになるのだ。

魔人ブウ編になると人類を滅亡させるがごとく破壊しまくるブウに対し、力ではなく心で接していくシーンが微笑ましかった。もちろん、最初は猛毒のチョコや爆弾ゲーム機をプレゼントするなどびっくりするくらいセコイのだが……。しかしこれがなぜかブウにウケてしまい、仲良くなってしまう。

そしてサタンはブウに“人を殺さない、物を壊さない”という約束を取り付けるなど、悟空やベジータでは到底できない隠れた活躍を見せるのだ。その後、ドラゴンボールの世界では珍しい非情な2人組によって犬が銃撃され大激怒。

しかしその2人組にサタンも銃撃されたことで、魔人ブウから純粋悪のブウが分離し、それまで仲良くしていたブウが吸収されてしまう。この純粋悪のブウは破壊の限りを尽くすのだが、心の底には思い出が残っていたのだろう。サタンだけは襲わなかった。

そしてサタンは最後の戦いでもナイスプレーを見せている。悟空とベジータが全地球人から元気を集めて元気玉を準備しようとするも、どれだけ呼びかけても怪しがられてしまい、元気が集まらない。それを見て憤ったサタンが喝を入れると、知名度だけは世界一だけに「サーターン」のかけ声とともに一気に地球上の元気を集めることに成功するのだ。

さらに瀕死のベジータを担ぎ、救い出す大活躍をも見せており、悟空にも「おめえはホントに世界の…救世主かもな!!!!」と言わしめている。

事の顛末を知っていたピッコロが、サタンの娘・ビーデルに「おまえの父は誇り高い世界チャンピオンだ……」と語るシーンにも胸が熱くなったものだ。

『ドラゴンボール』はどんな登場人物にもスポットを当てて描かれているので、こういったサブキャラが思わぬ活躍を見せてくれるから面白い。もちろん、悟空たちがいないと世界は平和になっていないのだが、彼らの意外な活躍で地球や人類が救われたのは事実だろう。

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