5000種類販売!虎グッズ開発秘話 スピード勝負実った「おつかれ生です」 虎党が求める重要ポイントとは?

 平田ヘッド「おつかれ生です。」フェイスタオル(球団提供)

 猛虎の応援気分を高めてくれる阪神グッズは多種多様で、約5000種類が販売されている。メガホンにネームタオルといった定番品から、キャンプやTシャツのアパレル関連に、流行を取り入れた日用品までそろう。球団グッズを担当する事業本部営業部の箕尾まどかさんと原林莉紗子さんが、グッズ開発の秘話を紹介。ファンが虎アイテムに求める重要ポイントとは-。

  ◇  ◇

 現地観戦の必需品となっている応援タオルは、今季6年ぶりにリニューアルされた。近本はブルー、大山は赤、梅野はピンク…聖地のスタンドをカラフルに染めるタオルは、すっかりおなじみ。選手個人の好みの色をチョイスしているというのがファンの間で定説だが、実情は少し異なる。

 「今年の新人選手には好きな色を聞きましたが、(色の決め方は)入団時期によって違うんですよ。出身の学校や会社のイメージに合わせることもあります。近本選手は(社会人時代の)大阪ガスのユニホームの色ですし」と“真相”を明かす。刷新されたタオルは、ファンの要望に応える形で育成選手やコーチ陣もラインアップに加入。藤本コーチや上本コーチは現役時代のイメージカラーが採用された。

 グッズ開発はスタッフ5人で担当。多くのエンターテインメントをチェックし、時には雑貨店にも足を運び、着想を得る。有名ブランドや人気キャラとのコラボだと年単位のプロジェクトにもなるが、旬のワードや事象を取り入れたグッズはスピード勝負になる。

 平田ヘッドコーチが日本シリーズ後のビールかけで発した「おつかれ生です」グッズが、まさにそれ。11月末にタオルが発売され、「12月までの販売でしたが(売れ行きは)すごい勢いでした。言葉の印象も強かったですし」とホクホク顔で振り返った。

 関西に本拠地を置く“虎党気質”もグッズに大きく反映させている。他球団のグッズ担当者とも意見交換することもあるというが、「他のチームのファンは裏地にワンポイントを好まれたりするそうですが、タイガースファンはバンッと前面に押し出すのを好まれます」と分析。21年のウル虎の夏ユニホームはド派手に描かれた虎の顔が話題となったが、阪神ファンにとってはやはりインパクトが大事なようだ。

 「売り切れゴメンで新鮮味を」という方針のもと、タイガースショップには2カードごとに新商品が登場。4日には夏用アイテムも大量に出そろって、発売が始まった。担当者にとって、「SNSの反応などで喜んでいただけているのを見たら、作って良かったと思えます」とやりがいを感じる仕事。21日にリーグ戦が再開すると、阪神ファンはまたお気に入りグッズに身を包み、声をからして応援する。(デイリースポーツ・丸尾匠)

© 株式会社神戸新聞社