こんにちは!家事コツ研究員のヨネダです。暑い日もだんだんと増し、お弁当が心配な季節になりましたね。そこで今回は、家事コツ研究員でもあり管理栄養士でもある私が、傷みにくいお弁当を作る10のポイントをまとめてみました。全部知っていたら、あなたの衛生はビッグ花マル~!さっそくお伝えします。
①おかずはしっかり加熱し、別々に冷ます
お弁当のおかずは、中心部までしっかり加熱することが大切です。
半熟のゆでたまごが好きな方も多いと思いますが、夏場は避けるのがベター。
作り置きのおかずも詰める前に、レンジで再加熱するようにしましょう。
加熱したあとはできるだけ素早く冷まします。というのも、食中毒の原因菌は30~40℃の温度帯でとくに増えやすいから。
ぬるい状態をキープするのはよくありません。
すばやく冷やすために、おかずは小分けにし、それぞれ離して冷まします。
平らな保冷剤の上にラップをして、その上で冷ますというのもアリです。保冷剤がない場合、濡れふきんを保存袋に入れて凍らせると代用できます。
②調理済みのものに素手で触れない
基本中の基本ですが、加熱したあとのご飯やおかずに素手で触るのはNGです。
ヒトの皮膚や髪には黄色ブドウ球菌が常在しています。よく手を洗っても、そのあとに顔や髪に触れてしまうと汚染リスクになります。
レシピを見ようとしてスマホに触るのも、ついやってしまいがち。
手は無意識にいろんなものに触れるので、手を洗ったあとでも注意が必要です。
おにぎりはラップまたは市販のおにぎり型を、調理済みのおかずはビニール手袋や箸を使って扱いましょう。
キャラ弁などの細かい細工には、料理用のピンセットがおすすめです。
③お弁当箱や調理器具を清潔に保つ
お弁当箱や調理器具は、すみずみまで洗ってしっかり乾燥させましょう。
お弁当箱を使うときは、食品添加物のアルコール製剤をひと吹きするとよいですね(火元に近い場所でのアルコール噴霧は避けてください)。
肉や魚を切ったあとのまな板や包丁は、洗剤で洗うだけでは不十分。キッチン用の塩素系漂白剤で、都度消毒をしましょう。カット済みの肉や魚を購入するのもよい方法です。
おかずを直接扱う箸やトングも、衛生の柱。ぜひ清潔な状態にしておいてください。
④汁気、水気を少なくする
食中毒の菌は、水分が多い環境で繁殖しやすいです。
水分が少ない揚げ物や焼き物は夏のお弁当向き。ですが、水分が出やすい煮物や和え物は要注意です。
和え物は汁気を切り、鰹節やすりごまなどをまぶしつけると余分な水分を吸収してくれます。
煮物を使いたいときは、汁気がなくなるまで加熱するか、キッチンペーパーで汁気を切るなどしましょう。
最近はスーパーや100均で「水分を吸い取るカップ」が販売されているので、利用してみるのも手ですね。
カットフルーツは水が出やすく、加熱もされていないので、夏場は避けたい食材です。
食後のデザートが欲しいときは、凍らせたミニゼリーがおすすめ。バンドにはさんでおくと、保冷剤の代わりにもなって一石二鳥です。
⑤調味料は別添えにする
お弁当のおかずに調味料をかけると、調味料に含まれる塩分によって食品から水分が出てしまいます。
水分が出ると傷みやすくなるので、調味料は可能な限りおかずと別々にしましょう。
個包装の調味料パックやミニボトルなどを利用するとよいですね。
⑥おかずはカップで仕切る
おかずがギュギュッと接触しているお弁当は、食中毒の面ではリスクありです。
菌が別のおかずに移って増殖したり、おかず同士が触れることで水分が出やすくなったりするからです。
おかずはカップで仕切るようにしましょう。夏場はできれば使い捨てのカップがおすすめです。
レタスなどの生野菜で仕切ると見た目がキレイですが、水分が出やすいのでこの時期は避けてください。
⑦ポテトサラダは傷みやすいので避ける
お弁当の定番であるポテトサラダ。ご存じの方も多いですが、夏場のお弁当では要注意です。
加熱後のじゃがいもにカットした生野菜やハムを混ぜこむポテトサラダは、細菌が増えやすい条件がそろってしまうからです。
どうしてもじゃがいもを使いたい場合は、フライドポテトやミニコロッケなどにするとよいでしょう。
⑧ミニトマトはヘタをとってよく洗う
これも最近はご存じの方が多いですが、ミニトマトのヘタは菌がたまりやすい部位です。
冷蔵庫の中では増殖を抑えられても、常温にさらされるお弁当では菌が増えるおそれがあります。
ヘタがあると見栄えがいいですが、お弁当に入れるときは取り除いて洗いましょう。洗ったあとはキッチンペーパーで水気を拭きとってください。
⑨混ぜご飯や炊き込みご飯は避ける
たくさんの具材が入った混ぜご飯や炊き込みご飯。
「調味料で塩分がつくから日持ちしそう」と思われる方もいますが、実際は白飯より傷みが早いです。
傷みやすい理由としては、
・具材から水分が出やすい
・栄養素が豊富で菌に利用されやすい
・具材を切ったり混ぜたりするタイミングで、調理器具の菌が移ってしまう
などがあります。
ご飯に味をつけたいときは、白飯+個包装のふりかけにして、食べる直前にふりかけるのが好ましいです。
⑩梅干しを過信しない
梅干しはクエン酸を含むため、菌の繁殖を抑える働きがあります。
とはいっても、梅干しひとつでお弁当をまるごと抗菌してくれるわけではありません。効果があるのはあくまで梅干しの周辺部分だけです。
梅干しを入れるのはまったく問題ありませんが、守備範囲は意外に狭いので、その点だけ注意しましょう。
「ご飯を炊く前に梅干しや酢を入れる」という方法も聞きますが、炊飯器の内釜がフッ素加工の場合、傷んでしまうことがあります。あらかじめメーカーの注意事項をチェックしておきましょう。
以上、夏のお弁当で気をつけたい10のポイントをご紹介しました。
「全部知っています!」という方は大変素晴らしいです♡持ち運ぶときは、お弁当バッグに保冷剤を入れておくとなお良しですね。
なにかとお弁当が不安な時期ですが、ポイントを押さえて夏を乗り切りましょう。
撮影・文/米田モック