撮り鉄への対応に尽力 JR西日本、日野町の沿線住民に感謝状

感謝状を受け取った関係者たち=20日、日野町役場

 JR西日本は20日、鉄道写真愛好家「撮り鉄」の対応に尽力した住民ら9個人・団体に感謝状を贈った。JR伯備線の特急「やくも」(出雲市-岡山間)の381系車両の定期運行終了に伴い、沿線を訪れる全国の「撮り鉄」が急増。一部の人たちのマナーが問題となる中、日野町の沿線住民が臨時駐車場用に土地を無償で貸し出すなどして問題解決を図った。

 同町の根雨-黒坂駅間(通称・ネウクロ)は鉄道写真の“聖地”とされ、撮影スポットが点在。381系の定期運行終了を前に連日多くの撮り鉄が訪れ、一部の人による路上駐車や無断侵入があり、苦情や解決策を求める声があった。

 住民らは臨時駐車場用に土地を無償で貸し出したり、田んぼや畑に立ち入らないように呼びかける看板を設置したりするなど対応に注力。黒坂署や鳥取県警鉄道警察隊、同町も巡回を強化した。

 住民らの取り組みで15日の定期運行終了まで安全運行ができたとして、同社は同町役場で感謝状を贈呈。JR中国統括本部駅業務部の青木豊太部長は「鉄道愛好家への行動に深く感動している。皆さんのおかげで大きな事故もなく381系の定期運行を終えることができた」と謝辞を述べた。

 人気スポットの通称「根雨カーブ」がある同町の津地自治会にも感謝状が贈られ、佐野秀樹会長(62)は「心ない行動をされるのはほんの一部。マナーを守ってくださる方は大歓迎。これからも率先してあいさつをするなどしていきたい」と話した。

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