三重観光客7.6%増の3512万7千人 コロナ禍前の回復ならず 主要施設

【定例記者会見で、昨年の観光入込客数を発表する一見知事=県庁で】

 一見勝之三重県知事は20日の定例記者会見で、昨年中に県内の主要観光施設(200カ所)を訪れた観光客数は前年比7.6%(約247万1000人)増の3512万7千人だったと発表した。

 県によると、観光客は2年連続で増加したが、コロナ禍前に当たる令和元年との比較では18.4%少ない。昨年の観光消費額は4882億円。3年連続で増加したが、元年比では12.3%減となっている。

 地域別では、5地域の全てで前年から増加した。伸び率が最も高かったのは伊勢志摩で16.4%の増加。中南勢の9.8%増、伊賀の6.4%増が続いた。

 観光客の居住地は、県内の35.2%と愛知県の22.9%で半数を占めた。入込客数の最多はナガシマリゾート(桑名市)で1300万人、伊勢神宮(伊勢市)の717万3千人が続いた。

 一見知事は会見で「近隣県と比べ、特にインバウンド(外国人観光客)の戻りが遅い」と指摘。「外国の人に訴えるような取り組みの初動が遅かったと思う」と振り返った。

 その上で「今年は熊野古道の世界遺産登録20周年。大阪万博もある。引き続き三重の魅力を発信する」と説明。宿泊施設の充実やインフラの整備などを進める考えも示した。

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