信金来訪客と声かけ好連係 特殊詐欺防止で感謝状 三重

【中村署長(左)から感謝状を受け取る鈴木支店長=鈴鹿市江島町の鈴鹿署で】

 【鈴鹿】特殊詐欺被害の未然防止に貢献したとして、三重県警鈴鹿署(中村勇索署長)は20日、同市西条四丁目の北伊勢上野信用金庫鈴鹿支店(鈴木敏正支店長)と、市内在住の女性保育士(29)に感謝状を贈呈した。

 同署によると、未然に防いだ特殊詐欺事案は、6月3日午後5時ごろ発生。市内の70代男性の携帯電話に「NTTファイナンスのマキムラ」を名乗る男から着信があり、「携帯電話サイトの未納料金が29万6千円ある。本日中に支払わないと法的措置を執る」と言われ、男性は携帯電話をつないだまま同支店に向かった。

 その時、同支店のATMコーナーにいた一般来訪客の女性保育士が、男性の様子を見て詐欺被害を疑い、行員の松島勇登さん(25)と山隼平さん(40)に男性の様子を伝えた。

 2人は通話中の男性に声をかけ、山さんが電話を代わって対応。松島さんが110番通報した。駆けつけた警察官が電話に出ると切れたという。

 同日、同署署長室で感謝状贈呈式があり、鈴木支店長と保育士女性がそれぞれ中村署長から感謝状を受け取ったほか、松島さんと山さんも記念品を受け取った。

 中村署長は「一般の方の声かけは勇気が必要だったと思うが、連係プレーがうまくいった好事例で鈴鹿署では初めて。今後も社会全体で被害防止ができれば」と話した。保育士女性は「怖かったし、声をかけていいものか悩んだが、被害を防ぐことができてよかった」、山さんと松島さんは「声をかけてもらったことで気付いて対応できたのでよかった」と話した。

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