石丸伸二氏したたか都知事選“ジジ殺し”「選挙の神様」が演説仕切り大物経営者が胸アツ演説

大トリのごとくマイクを握る石丸伸二氏(C)日刊ゲンダイ

東京都知事選(7月7日投開票)に出馬した前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)はなかなかくせ者だ。議会で居眠りする市議をSNSで批判したり、会見で地元メディアとやり合うなど、市長時代の攻めた手法が若者にウケているともっぱらだが、陣営を支えるのはオールド世代。自己陶酔スマイルの奥にジジ殺しスキルが見え隠れする。

20日の告示後の第一声は、選挙事務所を置くTKP市ヶ谷カンファレンスセンター前だった。進行を担ったのは、「選挙の神様」の異名をとる事務局長の藤川晋之助氏(71=藤川選挙戦略研究所代表理事)。自民党都連最高顧問の深谷隆司元通産相の娘婿で選対幹部の小田全宏氏(65)、政治評論家の田村重信氏(71=元自民党政調会調査役)らに次々とマイクが手渡された。「石丸伸二の魅力」がこれでもかというほど語られ、TKPの河野貴輝社長(51)も駆けつけた。熱量がハンパない。

ドトールコーヒー創業者がベタ褒め

中でも胸アツ演説をぶったのが、ドトールコーヒー創業者の鳥羽博道名誉会長(86)。安倍元首相夫妻との親交でも知られる大物経営者だ。石丸のユーチューブチャンネルを見て、5月下旬に「とにかく応援したい、一度会いたい」としたためた手紙を安芸高田市役所に送ったのが出会いだと言い、「この人は日本を変えられる。明治維新が起きようとしている」と絶賛。「どうしても石丸伸二を都知事に当選させたい」と支持を呼びかけた。

大トリのごとくマイクを握った石丸候補は、「ナポレオン・ボナパルトが皇帝になったのは30代。この年齢は何かを始める、何かを変える、何かを動かすに際して若すぎることはない」と立て板に水のごとく訴え、遊説に向かう選挙カーの助手席に乗り込むと、すぐさまワッフルをパクッ。その後のひと言は「これ、ドトールのワッフルなんですよ」。あざとい。

改めて鳥羽氏に石丸推しの理由を聞くと、「僕は20年来、国家経営ができる人を追い求めてきた。ユーチューブを見て『この人だ!』と。刺さったんです。胆識がすごい。いうなれば、どんな状況でもストレスを感じない人」とベタ褒めだった。

「石丸陣営を支えているのは鳥羽氏の人脈です。スタッフ30人、常時100人のボランティアを抱えている。鳥羽氏はすでに個人献金の年間上限いっぱいの150万円を寄付するなど多方面にわたって支援している。寄付総額はすでに9000万円を突破したそうです」(選対関係者)

次のシナリオが練られていそうな展開である。

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