「残クレにすれば大丈夫」とアルファードを買おうとする夫。世帯年収「350万円」ですが本当に大丈夫なのでしょうか?

そもそも残クレとは?

残クレとは「残価設定ローン」と呼ばれる、車を購入する際に選べる購入方法の1つです。

将来の車の買い替えを想定し、あらかじめ車両の下取り価格(残存価格)を差し引いた分を返済します。3年や5年をローン期間とすることが多く、購入時点で事前にローン終了時の車両価値を決定するのが特徴です。そのため、通常のマイカーローンなどと比べて月々の返済額をおさえられる可能性があります。

例えば500万円の車購入時にローン終了時の車両価値が100万円に設定された場合は、差し引いた金額である400万円の支払いが必要です。なお、残クレのローン期間が終了した後は、以下の3つからどうするかを決めるのが一般的です。

__・別の車へ乗り換える
・ディーラーへ車を返却する
・残りの金額を支払って、車を買い取る__

ローン後の対応は自由に決められますが、いずれを選んでもその後のライフスタイルを大きく左右するため、前もって慎重に検討するようにしましょう。

アルファードの価格

アルファードの価格は、グレードや駆動方式によって異なります。現行モデルとして販売されているのは全6モデルとなっており、それぞれの金額は以下の表1のとおりです。

表1

※トヨタ自動車株式会社「トヨタアルフォード|価格・グレード」を基に筆者作成

なお、上記の金額は基本料金であり、カスタムやオプションなどによって変動します。自分の求める条件でいくらになるのかは、一度見積もりを取ってみるのがよいでしょう。

アルファードの購入時に残クレを利用した場合の金額

アルファードを購入する際、残クレを利用した場合の金額を以下の条件で計算してみましょう。

・グレード:Z(ガソリン車 2WD)
・価格:540万円
・支払い回数:36回
・頭金:30万円
・手数料率:4.9%
・ボーナス払い:なし

上記の計算例で算出された金額は、月々6万700円となります。

あくまでも目安の金額ではありますが、年収350万円の場合の月収は約30万円(ボーナスを加味しない場合)となるため、月収の5分の1が車両価格の支払いとして必要です。そのため、月々の支払いが負担になってしまう可能性は十分に考えられるでしょう。

いずれにしても、ローンを利用する場合は、支払い回数やボーナス払い・頭金の金額などを計算したうえで、無理なく支払えるかを確認するのが大切です。

残クレを利用する際の注意点

残クレを利用する際の注意点としては、以下の4つがあげられます。

__・返却を前提とする契約であり、傷や汚れがあると追加費用がかかる可能性がある
・所有者名義が自分自身ではない(ローン終了後に買い取った場合を除く)
・カスタムや走行距離に制限が設けられているケースがある__

上記を理解していないと、契約前後や契約中のトラブルにつながるかもしれません。ローン会社や信販会社によっても異なるため、申し込みを検討する場合は一度確認してみましょう。

残クレを利用することでカーローンよりも月々の支払いをおさえられる可能性がある

残クレは月々の支払いを抑えられる返済方法として、利用している人も多いようです。そのため、年収350万円で残クレを選ぶのは1つの選択肢といえるでしょう。

ただし、支払い回数や頭金などによって、人それぞれ毎月の支払額は異なります。そのため、自分たちが無理なく支払える金額かの確認が大切です。毎月の出費が多くなりすぎたり、家計が圧迫されたりしないよう、購入を検討する際はしっかりと計算しましょう。

出典

トヨタ自動車株式会社 トヨタアルフォード|価格・グレード
トヨタモビリティ富山株式会社 お支払いシミュレーション

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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