ドイツ人「見えるとうれしくて、どこにいてもつい確認してしまう」 初訪日で心を奪われた存在とは

一人旅を楽しんでいるドイツ人のジュリアさん【写真:Hint-Pot編集部】

世界中から観光客が訪れる日本。日本独特の伝統文化や美しい景色など、さまざまな観光資源に恵まれています。初めての日本で一人旅を楽しんでいるドイツ人女性は、日本の自然美に心を奪われました。そして、観光中、無意識に探してしまうほど虜になってしまった文化遺産と出合ったといいます。いったい、なんだったのでしょうか。

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ドイツから初訪日 福岡から東京への珍しい旅程で日本を満喫中

初めて日本を訪れたという、南ドイツ在住のジュリアさん。東京から西へ向かって観光を楽しむ訪日外国人観光客が多いですが、ジュリアさんは西から東へ向かう一人旅を楽しんでいます。3週間で福岡、広島、関西、河口湖、箱根を経て、東京へやってきました。

「すべてが初めて訪れる場所で新鮮です。日本は自然が多くて、美しいところだなと思いました」

なかでもジュリアさんの印象に残っているのは、日本三景のひとつでもあり、世界文化遺産にも登録されている広島県の宮島「厳島神社」。そのシンボルでもある大鳥居は、3年半をかけて70年ぶりの修復が行われ、2022年12月に鮮やかな朱色によみがえりました。ますます存在感を増した大鳥居のおかげで、修復工事が終わった直後の2023年の宮島への来島者数は、なんと465万人超え。国内外の観光客に人気のスポットです。

「宮島の厳島神社はとくに素敵でした。自然の中に鳥居が見えてきて。厳島神社に限らず、日本の神社は鳥居がすごく美しいなと思っています」

鳥居は材質や構造が多種多様で、一説には60以上の形態があるともいわれています。代表的なのは、鳥居上部の横柱が一直線になっている神明鳥居と、横柱の両端が上向きに反っている明神鳥居。厳島神社の鳥居は後者の明神鳥居に当てはまります。こうした違いも、外国人観光客の関心を引いているのでしょう。

ドイツ人を魅了する日本の自然美

東へ移動してきたジュリアさんは、さらに印象的なものと出合いました。

「富士山も印象的でした。ひとめ見た瞬間から、すごく惹かれるものがありました」

雄大で美しい富士山は、厳島神社と同じく世界文化遺産のひとつです。古来、日本人の自然観や日本文化に大きな影響を与え、2013年6月に「富士山-信仰の対象と芸術の源泉-」という名称で登録されました。

「残念ながら河口湖と箱根に行ったときは天気が曇りで、隠れてしまっているときもあったのだけど……。見えるとうれしくて、どこにいてもつい確認してしまいました」

東海道新幹線では富士山が見える側の席が人気だったり、航空機内では富士山が見えるとアナウンスがあったりする場合も。その姿が見えるだけで、気持ちが高揚する人も多いでしょう。日本人だけではなく、外国人観光客も同じ気持ちにさせるだけの特別な魅力を富士山は持っているようです。

まもなくジュリアさんの日本での一人旅が終わろうとしています。東京からも富士山が見える場所があるので、帰国前に見られるといいですね。

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