「間違いなくポジティブ」ル・マンで完走を果たしたランボルギーニ、WEC後半戦はペース改善が目標

 WEC世界耐久選手権に参戦しているランボルギーニは、6月15~16日にフランス、サルト・サーキットで行われた『第92回ル・マン24時間レース』での総合10位および13位という好結果を受け、今季2024年の残りの焦点は、ランボルギーニSC63のアップグレードをどのように実施するのがベストなのかを決定することにあると語った。

 今回のル・マンでは、ミルコ・ボルトロッティとダニール・クビアト、エドアルド・モルタラがドライブする63号車が、優勝した50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)から2周遅れの10位でフィニッシュ。アンドレア・カルダレッリとマッテオ・カイローリ、ロマン・グロージャンがドライブする姉妹車の19号車も13位で完走を果たしている。

 ランボルギーニ・アイアン・リンクスのレーシングディレクターであるエマニュエル・エスノーはSportscar365に対し、ランボルギーニがハイパーカーのベンチマークメーカーに匹敵するようなペースを持っていないことを承知のうえで、ル・マンに対して“保守的”なアプローチをとってきたことを認めた。

 しかし彼は、ランボルギーニSC63を2台とも完走させたことは、究極のペースに近づけるための最善の方法を評価しているチームにとって、貴重なことだと語る。

「間違いなくポジティブな結果だった」とエスノー。「まだペースが足りていないので、マシンの純粋なパフォーマンス改善に取り組む必要がある」

「だが、取り組むべきポイントは明確になった。今年の終わりの課題は分かっている。だからこそ、2台とも完走を果たすことが重要だったんだ」

「レースウイークへの取り組み方に関しては非常に保守的だった。ポルシェやフェラーリ、キャデラックを相手にコース上で戦える状態ではなかったのは明らかだ」

「新しいクルマだし、チームを作り上げている最中だから、マシンの操作やアプローチの仕方という点では、まだレースごとに改善している段階だ。これは学習プロセスの一部なんだよ」

「自分たちがどの位置にいるのか、そして他のチームがどの位置にいるのかは、きちんと理解している」

ル・マン24時間レースに初参戦した2台のランボルギーニSC63(ランボルギーニ・アイアン・リンクス)

■この結果を「祝うべき」とクビアト

 ランボルギーニのパフォーマンスを振り返って、元F1ドライバーであるクビアトは、アイアン・リンクスが運営するSC63のデビュー戦での功績を祝うべきだと述べ、チームがパッケージを最大限に活用したことに勇気づけられたと語った。

「正直に言って、信じられないことだと思う。チーム全体にとって大きな自信になった」と、ル・マン初参戦の63号車ランボルギーニSC63を総合10位に導いたクビアト。

「今年は全般的にタフな年だったから、僕らのハードワークの証としてこれを祝う必要がある。我々の前には多くのハードな仕事がまだまだあるけどね」

「僕たちは強力なラインアップと強力なチームを持っており、多くの戦略的判断も正しかったし、タイムを失うような大きなミスもなかった」

「だから、改善すべきと分かっている部分を改善すれば、いつか本気で優勝を狙えるはずだ。将来のために、今投資する必要があるんだ」

 ランボルギーニが今後数か月の間にSC63のパフォーマンスを向上させるために、いわゆる“エボ・ジョーカー”の使用を検討している部分について具体的に尋ねられたエスノーは、大きなコンセプトの変更ではなく“改良”であることを明らかにした。また、SC63の重量がやや重いと指摘されているなかで、軽量パーツの導入も検討すると述べた。

「いろいろなことがあるので、社内で話し合う必要がある」と語ったエスノー。

「私たちは、自分たちがこの仕事をこなせることを証明するために、ル・マンのレースに集中していた」

「今、我々はそれをやり遂げ、クルマをより速くするために何ができるかをよりよく知ることができた。これがシーズン後半戦の私たちの仕事になるだろう」

ミルコ・ボルトロッティ/ダニール・クビアト/エドアルド・モルタラ組63号車ランボルギーニSC63(ランボルギーニ・アイアン・リンクス) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間
ロマン・グロージャン/アンドレア・カルダレッリ/マッテオ・カイローリ組19号車ランボルギーニSC63(ランボルギーニ・アイアン・リンクス) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間

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