韓国、ロ朝新条約でロシア大使呼び抗議 日韓外相が電話会談

[ソウル/モスクワ 21日 ロイター] - 韓国外務省は21日、ロシアと北朝鮮が「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結したことについて、ロシアのジノビエフ駐韓大使を呼んで抗議したと発表した。趙兌烈外相は上川陽子外相と電話会談し、ロ朝の新条約に対する深刻な懸念を共有したという。

韓国外務省によると、金烘均外務第1次官はジノビエフ大使に、ロシアの北朝鮮への軍事支援は韓国の安全保障を損ない、韓ロ関係に「悪影響」を与えると述べ、ロシアに「責任ある行動」を求めた。

これに対し、ジノビエフ大使は、ロ朝の緊密な関係を巡る脅迫や恐喝は容認できないと述べた。タス通信がロシア大使館の発表として伝えた。

趙外相は20日にブリンケン米国務長官と電話会談し、ロ朝条約への対応について協議。状況を注意深く監視することで一致した。ブリンケン氏は、同条約が地域の平和と安定に対する重大な脅威だと非難。条約に対する韓国の対応に支持を示し、米国はロシアと北朝鮮による国際的な平和と安定への脅威に対応するため、さまざまな方法を検討すると述べた。

趙氏は北朝鮮の軍事力強化を支援するいかなる協力も国連安全保障理事会決議の明らかな違反だと指摘した。

「包括的戦略パートナーシップ条約」は、一方が武力侵略に直面した場合、あらゆる軍事的支援を遅延なく提供すると定める。

韓国大統領府の張虎鎮国家安保室長は20日、これを受け、ウクライナへの武器供給の可能性を再検討する方針を示した。

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