近所の「工事の騒音」でいつもの生活が送れず悩んでいます…。どこに相談すればよいでしょうか?

工事による騒音は、法律にて規制されている

工事によって生じる騒音は、「騒音規制法」によって規制されているようです。

騒音規制法の第1条では「この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行うとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする」と定義されています。そのため、周辺住民の許容限界を超え、平穏な生活を脅かす騒音が生じているのであれば、不法行為になる可能性は十分にあるといえるでしょう。

騒音は「デシベル」で表され、作業内容によって基準値が決められています。例えば、穿孔(せんこう)機を使用してのくい打ち作業や、ブルドーザーなどの掘削機械を使用する作業は80デシベル、建設物の解体や破壊作業では85デシベルとなっています。

ほかにも、作業可能な日時や日数も細かく決められているのです。なお、85デシベル相当の騒音は、地下鉄の車内やカラオケ店の室内などが該当するレベルといわれており、安眠できるような環境ではないことが分かります。

工事の騒音で慰謝料の請求が認められたケースもある

工事の騒音によって睡眠を妨げられたなどの健康被害を受けた場合、状況によっては慰謝料の請求が可能だそうです。騒音レベルや作業時間が規定を超えているなどの状況であれば、不法行為と認められる可能性もあるでしょう。

過去にも、以下のような工事による騒音トラブルにより慰謝料の支払いの義務が認められた事例があり、20万前後の慰謝料が妥当と判断されたようです。

ただし、限度を超えた騒音かどうかの判断は難しいのも事実です。全体の状況を総合的に判断する必要があるため、慰謝料を請求して認められるかといったら一概にはいえません。

工事による騒音が気になる場合の対処法

工事による騒音が気になっても、どのように対処すればいいか迷う方もいるかもしれません。

まずは、工事をしている施主や建築主に騒音で困っていることを伝えます。直接伝えにくい場合には、役所に相談するのもいいでしょう。

それでも今回のように、改善されない、話が進まないなどの状況であれば、弁護士といった専門家に相談するのも選択肢の一つです。ただし専門家へ対処を依頼すると費用がかかりますので、まずは施主や役所に相談することがいいでしょう。

工事の騒音は役所に相談|改善されない場合には弁護士による対処も検討しよう

工事による騒音は、法律で基準値や作業内容が定められています。規定を逸脱している場合や、日常生活に支障をきたすほどの騒音が生じている場合には、施主や役所に相談しましょう。

それでも改善されない場合には、弁護士などの専門家に相談するのも選択肢の一つです。

過去には、健康被害による慰謝料の請求が認められたケースもあります。まずは騒音の状況を確認する必要があるので、相談前に音の測定や録音をしておくとスムーズです。

出典

デジタル庁 e-Gov法令検索 騒音規制法(昭和四十三年法律第九十八号)第一条

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社