熟練職人の超絶磨き上げ! 蛇口メーカー「株式会社カクダイ」胴体の表面をピカピカにする裏側 岐阜県

“ユニークな蛇口”を製造している蛇口メーカー「株式会社カクダイ」。刃物の町・岐阜県関市にある岐阜工場では、これまで1000種類以上の蛇口を世に送り出してきた。生活に欠かせないものだけに機械的に大量生産されているのかと思いきや、そこには職人たちの“熟練の技”があった!

熟練職人の研磨作業を経て、水栓バルブ発祥の地へ

連結剤を混ぜた鋳物砂で型を取り、1200℃の熱で溶かした銅を流し込んで作られた蛇口。マシンと熟練職人たちの華麗なる連携プレーで完成させた胴体だ。

次にアームロボットが登場。蛇口を1つずつ器用につかんで、マシンにセットしていく。マシンにはさまざまな形の突起があり、蛇口のセットが完了したら、高速回転スタート!

突起を使い分けながら、蛇口のネジ穴や溝を掘り出していく。繊細に研磨され、徐々に輝いていく様が映し出されていた。

しかし、胴体の表面はまだザラザラ。ここからはマシンではなく、手作業での研磨に移る。職人技の見せどころだ。担当するのは、この道30年の超ベテラン・加工部の野村彰さん。奥に見えるベルト状のものがヤスリで、さまざまな粗さが用意されている。

高速回転するヤスリの粗さを段階的に変えながら、丁寧に磨き上げる。曲面の多い蛇口を仕上げるのは、職人による長年の勘が頼り。

研磨作業が終わった蛇口はピッカピカで、まるで鏡のよう!

組み立て後は場所を移し、メッキ加工へ

磨かれた蛇口は、岐阜県山県市にある工場へ。山県市は“水栓バルブ発祥の地”として知られ、水回り製品に関して国内有数の技術を持った専門業者が集まっている。工場に運び込まれた蛇口は、液体の中へドボン! こうして、メッキ加工を行うのだ。

蛇口はブロンズからシルバーに変身。クロムとニッケルのメッキを施すことにより、さびや腐食にも強くなる。

メッキ加工を済ませた蛇口は再び関市の工場へ戻り、最終段階の組み立て作業に移る。

まずは水漏れ検査から。組み立てた蛇口を機械にセットし、水の中に沈める。蛇口からブクブクと気泡が浮いているのは、漏れがあるという証拠。さまざまな工程を経て、組み立て作業も完了しているが、残念ながら不良品のため廃棄となってしまう。

そして通水チェックへ。合格した蛇口にレバーを取り付け、問題なく水が流れるかどうかを確認する。さらに水温の調節に関する検査などをこなし、ようやく完成!

水を出したりお湯に切り替えたりと、日常生活において当たり前のように使用している蛇口。実用に耐えうる製品を生み出すため、工場では緻密な作業と徹底した品質管理が行われている。

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