米ハネウェルが防衛電子機器メーカー買収へ、紛争長期化で受注急増

Ananta Agarwal

[20日 ロイター] - 米重工業大手ハネウェル・インターナショナルは20日、防衛装備品や航空宇宙関連メーカー向けに電子機器を開発する米CAESシステムズを19億ドルで買収すると発表した。全額を現金で支払う。

ロシアとウクライナ、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争がいずれも長期化しているため、CAESシステムズが開発したアンテナシステムや通信システムといった電子機器は受注が急増している。

米金融大手ジェフリーズの株式アナリストの顧客向けメモによると、ハネウェルはCAESシステムズ買収により、ロッキード・マーチンの戦闘機F35やボーイングの電子戦機EA―18Gグラウラー、レイセオンの先進中距離空対空ミサイルAMRAAMなどミサイルといったプログラム製品群を補完することになる。

ハネウェルはビマル・カプール氏が昨年6月に最高経営責任者(CEO)に就任以降、「自動化」と「航空の未来」、「エネルギートランジション」を有望視される大きな傾向として経営の3本柱に据えており、今回の買収もその一環に当たる。企業買収は今年に入って3件目。

今回の買収手続きの完了は今年後半と見込まれ、その後1年間でハネウェルの調整後1株当たり利益の増加につながる見通しだ。

CAESシステムズはプライベートエクイティ(PE)会社のアドベント・インターナショナルが2020年1月に50億ドルで買収した企業で、当時の社名はコブハム・アドバンスト・エレクトロニック・ソリューションズだった。21年に新しい会社として切り出すカーブアウトを実施していた。

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