第32回 カリフォルニア・レーズン ベーカリー新製品開発コンテストで選ばれた傑作は? 宇宙飛行士 若田光一も「レーズンパンが宇宙へ行く日もちかい」と唸る力作ばかり

「ぼくは小さいころからレーズンが好きですね。きょうはほんとうにおいしいレーズンパンをみなさんにつくっていただいて、感激してます。

印象的だったのは、開発者のみなさんがすごく工夫されてるってところですかね。レーズンの配合量ですとか、バターで炒めるだとか、いろんな手法でレーズンの良さを引き出している。

そして時代を感じたのは、いかに効率的にパンをつくるか、いかにフードロスを少なくするような手法でパンをつくるかっていう、SDGsの観点から皆さんがいろんな課題に挑戦して、それを克服して、なおかつそれでこんなおいしいものをつくってくれる。

こうした SDGs 観点からの課題もクリアしたレーズンパンが、宇宙(そら)へ行くと思っています」

―――そう語るのは、宇宙飛行士 若田光一。彼を「レーズンパンが宇宙へ行く」と唸らせたのは……。

第32回 カリフォルニア・レーズン ベーカリー新製品開発コンテスト

カリフォルニア・レーズン協会 駐日事務所は、製パン企業や個人店に勤めるプロフェッショナルな技術者を対象に、カリフォルニア・レーズンを使ったオリジナルのパン作品を競うコンテスト「第32回 カリフォルニア・レーズン ベーカリー新製品開発コンテスト」の最終審査を6月14・15日の2日間、日本パン技術研究所(東京都 江戸川区)で実施し、大賞2名を含む合計12名の受賞者を決定・表彰した。

長く愛されるレーズンパンを

「カリフォルニア・レーズン ベーカリー新製品開発コンテスト」は、新たにお店の看板・定番商品として長く愛されるレーズンパンを生み出すことを目的に開催し、カリフォルニア・レーズンの斬新な使い方や、その時々のトレンドを取り入れた他の食材との組み合わせなど、新しいアイデアのレーズンパンが発表され競われるアワード。

また、受賞作品は商品化することをコンテストの応募条件とし、10年以上定番メニューとして長く愛されている作品もあり、多くの消費者を魅了している。

さらに、世界で競われる著名な国際ベーカリーコンテストの日本代表や受賞者のなかには、同コンテスト過去受賞者が複数いるほど、日本のベーカリー業界の製パン技術向上やパン職人の育成にも貢献している。

32回目の本年は、「量販製品部門」(工場生産し、完全包装で販売する作品とベイクオフ・QBD製法で生産し販売するパン)と「オールスクラッチ製品部門」(店舗や工場でのオールスクラッチ製法で生産し販売するパン)、そして今回新設された「育成機関部門」(オールスクラッチ製法の作品)の計3部門で作品を募集し、日本全国から計136作品の応募があった。

副賞はカリフォルニア州フレズノ研修旅行

審査は、製パン技術関係者6名のほか、カリフォルニア・レーズン協会駐日代表のジェフリー・マクニールが審査員長を、宇宙飛行士 若田光一が特別審査員を務め実施。

審査の結果、カリフォルニア・レーズン大賞は、量販製品部門はグランソールベーカリー 渡邊智紀氏「レザン・マリアージュ 赤と白の融合」が、オールスクラッチ製品部門は東京ポンパドウル 市野瀬政喜氏「Cheer raisins」が、育成機関部門では日本菓子専門学校 平岡幸二郎氏「パン・オ・シシリー・レザン」(優秀賞)が受賞した。

表彰式では、ファイナリストの21名には楯が授与され、副賞として、量販製品部門とオールスクラッチ製品部門の11名にはカリフォルニア・レーズンの故郷「カリフォルニア州フレズノへの研修旅行」、育成機関部門の1名には賞金15万円(ギフト券)が贈られた。

量販製品部門とオールスクラッチ製品部門の受賞作品は、これから続々と各店舗で発売が始まる。

カリフォルニア・レーズン協会は、今後もカリフォルニア・レーズンの使い方や新製品開発のアイデアを提供していくという。

「レーズン業界を盛り上げ、新しいパンを」

◆ カリフォルニア・レーズン大賞

渡邊智紀(グランソールベーカリー)
作品名:レザン・マリアージュ 赤と白の融合
所在地:茨城県

「今回初挑戦で大賞を受賞することができてとても嬉しいです。過去には3回、カリフォルニア・レーズン大賞を受賞されている方もいるようなので、それを超えられるように今後も頑張りたいです。レーズンの無限の可能性を感じているので、それをお客様にお伝えし、市場価値を高めていきたい。レーズン業界を盛り上げて、また新しいパンが生まれるようにしていきたい」

「パン業界が盛り上がるような作品を」

◆ カリフォルニア・レーズン大賞

市野瀬政喜(東京ポンパドウル)
作品名:Cheer raisins (チア レザン)
所在地:神奈川県

「このような賞をいただいて光栄です。ともに審査に挑んだ21名の方にもお疲れ様ですと伝えたいです。パン業界が盛り上がるような作品をコンセプトにして開発を行いました。現在はエリアマネージャーとして現場でパンづくりはしていませんが、会社のなかで後進の技術指導やパンづくりの難しさ、楽しさ、喜びを伝えていく仕事をしていきたいです」

―――カリフォルニア·レーズン協会は、1949年にアメリカで設立された、カリフォルニア産レーズンの47の生産者や加工業者等を代表する米国農務省による直接の監督下にある非営利団体。

同協会の駐日事務所の設立は1961年、日本国内での業界・消費者向けの啓発活動を実施している。

https://www.raisins-jp.org/

◆優秀賞

平岡幸二郎(日本菓子専門学校)
作品名:パン・オ・シシリー・レザン
所在地:東京都

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