「日本とパリで決勝を」男子ブラジル代表インタビュー@鹿児島合宿

買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024 福岡大会を戦い終えた男子ブラジル代表は、予選ラウンド第3週フィリピン大会を前に日本での滞在を選択。サンアリーナせんだい(鹿児島県薩摩川内市)で6月9日より合宿を行い、地元のファンと触れ合うなど有意義な時間をすごすなか、気になる選手たちと監督に話を聞いた

「最終的な目標はパリオリンピック」アラン・ソウザ

――ご自身そしてチームの調子は?

この一週間、滞在して調整していますが、毎日コンディションはよくなってきています。

――ブラジル対ポーランドは好ゲームでした(3-1でブラジルが勝利)

ありがとうございます。私自身もよく動けて、チームとしてもいいプレーができました。ポーランド戦はいつもいいゲームで、バレーボールファンなら絶対に見たいと思うカードです。見ればバレーボールが好きになります。これから先、できる限り多くの試合に勝ってチームのレベルを上げ、パリオリンピックに向けていい準備をしたいです。最終的な目標はパリオリンピックですから。

――監督が「オリンピックでは日本とブラジルがメダル争いできるように」と

そうですね。日本とブラジルで決勝を戦って、ブラジルが勝つ。そうなれば、完璧です(笑)

――日本のファンにメッセージをお願いします

私たち兄弟、私とダルラン(・ソウザ)に対していつもたくさんの応援、とても感謝しています。多くのファンが日本の選手と同様に、私たちにとても親しみを感じていただいているのが伝わってきます。ほんとうにありがとうございます。

「日本でのプレーが楽しみ」リカルド・ルカレッリ

――薩摩川内での合宿はいかかですか?

集中して多くの練習に取り組むことが重要なので、自然に囲まれたこの環境はいいですね。ここからの眺めを気に入っていますよ。食事もおいしく、シェフがブラジルの代表的な豆料理「フェジョン」を作ってくれて、それもおいしかったです。

――チームの調子は?

VNLは1週目より2週目、としだいによくなってきているので、フィリピン大会でさらにチームは進化していくと思います。パリオリンピックの目標は決勝に進むこと。どのチームも高いレベルでの争いになるので簡単ではありませんが、目標に向けて練習を重ねています。

――日本代表も強くなりました

はい、それはもうほんとうに強くなったと思います。2013年から日本と対戦してきて、その進化を感じています。イシカワ、ニシダ、タカハシ、セキタ…。身体的にも技術的にも優れた選手がどんどん出てきていますよね。日本と同様に、他の国もどんどん強くなってきました。

――来季はSVリーグでプレーされると?(ジェイテクト入団が決定)

代表の試合で日本に来るようになり、数年前よりエージェントから日本でプレーしないか? というオファーがありました。そのときはイタリアでプレーすることを選びましたが、イタリアでのキャリアの次に、これから日本でプレーすること、日本で生活することを、とても楽しみにしています。

――新しいSVリーグに、ルカレッリ選手のようなスターが多数参加することについてはどうお考えでしょうか?

ほんとうに素晴らしいことです。新しいリーグのスタートに向けて、多くのチームが海外から選手を招くことは、私たち海外選手の「もっとプレーしたい」という望みを活発にするものです。日本のリーグも、代表チームもますます強くなり、さらに魅力的なものとなっていくでしょう。

――日本のファンにメッセージをお願いします

日本のファンはいつも温かく迎えてくれて、たくさんの「おくりもの」、プレゼントをくださいます。日本でプレーすることを楽しみにしています。日本語は少しだけ知っています。今、少しずつ勉強中です。先週は「どういたしまして」と「ごめんなさい」を覚えました。今週また違う言葉を勉強します(笑)

日本でのプレーが楽しみ、ルカレッリ

「スポーツは負けるからこそ学ぶ」ベルナルド・レゼンデ監督

――オリンピックイヤーの今年、代表監督にカムバック。どんな気持ちで引き受けたのでしょう?

チームを助けるために引き受けました。前監督に健康面の問題がありました。オリンピックが目前に控えているので、オリンピックの経験があること、バレーボールに愛情を持ち、コートで起きることを理解しているのが私だったということ。就任当初は難しいかなと思いましたが、やり始めたらすぐに勘を取り戻しました。

――今日もコートの中でいちばん元気でした

スポーツではエナジーとパッションが何よりも重要で、私にはあまり長所がないのですが、数少ない私の長所がエナジーとパッションなのです(笑)

――VNLでの戦いはいかがですか?

チームはまだバランスを探っている途中です。スロべニア戦を落としましたが、ポーランドには勝つことができた。このチームになってまだ日が浅いので、これからもっとまとめていきます。

――パリオリンピックに向けての課題を教えてください

オリンピックの重圧はすさまじいものです。経験のある選手も若い選手も、テクニックだけでなくメンタルを鍛えて、オリンピックでの試合に要求される強いメンタルを備えなければいけません。若い選手のエナジーとベテラン選手の経験、この両方が必要で、チームとしてこれを融合させることが重要です。

――息子であるブルーノの調子はいかがでしょう?(ふくらはぎを負傷)

少しずつよくなっていて、フィリピン大会ではプレーできると思います。ブルーノはオリンピックを戦うのに必要な経験、プレーの質、リーダーシップを持っている選手ですから。

――親子で代表にいる、というのはどんな感じがするものでしょうか

チームでは他の選手と同様、あくまで監督と選手としての関係ですが、やっぱり他の選手よりも厳しいことを求めてしまいますね。17年、代表で共に戦ってきましたから。とはいえ息子なので、ケガのときなどは少し心配してしまいます。

――パリでは日本とブラジルでメダル争いをしたい、とのお話がありました。日本のファンも楽しみにしています

ポーランド、イタリア、フランス、アメリカ、日本。これが現在の5トップだと考えています。次いでブラジル、アルゼンチン、カナダ、ドイツが後を追います。私たちも日本のレベルに追いつきたいですね。石川のような卓越した選手がイタリアでプレーして、日本人も高いレベルでプレーできることを証明しました。

――来季は日本の新しいSVリーグでブラジル人選手がプレーします

ブラジル人プレーヤーが日本でプレーすることで、さらに日本のレベルも上がっていくはず。私は1981年のワールドカップで初めて来日し、銅メダルを取りました。日本に来るのは実に37回目になります。バレー以外でも、日本人はいつも他の国にはない親切なおもてなしで迎えてくれると感じます。ファンの愛情はナンバーワンです! ブラジルから遠いのだけが問題ですね(笑) 時差が12時間あって、ブラジルにいる家族との連絡も時差を考えてやらないといけませんから。

――バレーボールをやっている子どもたちにメッセージをお願いします

“ディシプリン(規律)”がとても大切です。厳しい練習を乗り越えれば、いいプレーができ、ゲームにも勝てるものです。スポーツは負けるからこそ学ぶ。負けて学んで、最後に勝ちをつかみましょう。

代表に復帰したレゼンデ監督

すらっと細身のレゼンデ監督、コートでの指導は実にエネルギッシュなものでした。インタビューでは選手、監督としての輝かしいキャリアを振り返りながら、気さくにお話してくださいました。公開練習にかけつけたファンへのサービスもたっぷり、ますますファンを増やしたブラジル代表。パリオリンピックでの活躍を期待しています!

取材/泊 亜希子

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