【レジェンド外国人レスラー伝】プロレス界の永遠のアイコン“超人”ハルク・ホーガン「ハルカマニアは永遠だ」

ハルク・ホーガン、その名前を聞けば、誰もが一度はその雄姿を思い浮かべることだろう。

プロレス界における「超人」ホーガンはまさにその名に相応しい存在である。金色の髪に真っ赤なバンダナ、そして筋骨隆々の体躯。ホーガンがリングに現れるだけで、会場は一気に熱狂の渦に包まれる。

本名テリー・ジーン・ボレア、1953年8月11日生まれのホーガンは、1970年代末から1980年代にかけて、プロレス界に革命をもたらした。

日本では新日本プロレスでの活動から注目され、1983年に開催された『IWGP決勝リーグ戦』の決勝戦で対戦したアントニオ猪木をアックスボンバーでKOして優勝を果たした。

その驚異的なパワーとカリスマ性を発揮し、瞬く間にスターとなった。

ホーガンの真骨頂は、何と言ってもその圧倒的な存在感だ。入場曲「リアル・アメリカン」が流れると、観客は一斉に立ち上がり、その熱狂ぶりは他に類を見ない。ホーガンの一挙手一投足に観客は釘付けになり、「ホーガンポーズ」はまさに観客との一体感を象徴する瞬間であった。

WWF(現WWE)でのホーガンは、まさに黄金時代を築いた。1984年、アイアン・シークを破り初めてのWWF世界ヘビー級王座を獲得したその瞬間、プロレス界に新たな歴史が刻まれた。「ハルカマニア」は爆発的な人気を博し、ホーガンはアメリカ全土のみならず、世界中のプロレスファンの心を鷲掴みにした。

ホーガンの試合は、常にドラマチックでエキサイティングだった。大巨人アンドレ・ザ・ジャイアントとの伝説の対決は、その象徴的な一例だ。1987年のレッスルマニアIIIで、ホーガンはアンドレをボディースラムで持ち上げ、リングに叩きつけた。その瞬間、観客は狂喜乱舞し、その光景は永遠にプロレス史に刻まれることとなった。

ホーガンのリングスタイルは、その巨体に見合ったパワフルな技が特徴だ。ビッグブーツからのレッグドロップは必殺技として知られ、数多くのレスラーを倒してきた。その試合ぶりは常に観客を興奮させた。

ホーガンの人気はリングの外でも絶大だった。映画やテレビにも出演し、そのカリスマ性はプロレス界を超えて広がった。特に、映画『ロッキー3』でのサンダーリップス役は、多くの人々に彼の存在を知らしめた。

晩年のホーガンは、nWo(ニュー・ワールド・オーダー)のリーダーとして再び注目を集めた。ヒールターンしたホーガンは、「ハリウッド・ホーガン」として新たな一面を見せ、WCWの黄金時代を牽引した。その後もWWEに復帰し、ファンとの絆を再び深めた。

ホーガンの人生は、成功と挫折の連続であったが、常にリングに戻り続けた。その姿勢はプロレスに対する真摯な愛情と情熱を物語っている。ホーガンの影響を受けたレスラーたちは数知れず、ホーガンのレガシーは今もなお、次世代のプロレスラーたちに受け継がれている。

「ハルカマニアは永遠だ」。この言葉通り、ハルク・ホーガンはプロレス界に永遠に輝き続ける存在である。

<写真提供:伊藤ミチタカ氏>

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