米中、3月に非公式核協議 中国は台湾巡る核の威嚇否定=米参加者

Greg Torode Gerry Doyle Laurie Chen

[香港 21日 ロイター] - 米中が今年3月、核兵器に関する非公式対話を5年ぶりに開いたことが分かった。米国の参加者によると、中国側は台湾を巡り核による威嚇を行わない考えを示したという。

政府間の公式協議が「トラック1」と呼ばれるのに対し、「トラック2」と呼ばれる専門家らによる非公式の対話を上海で開催。米国からは元政府当局者や学者が5人程度、中国側は複数の元人民解放軍士官を含む学者やアナリストが参加した。

米側の調整役を務めた学者のデービッド・サントロ氏によると、中国が台湾を巡る紛争で敗北に直面した場合、核兵器を使用したり、使用すると脅したりする可能性があるとの懸念を米側が提起したのに対し、中国の代表は、核兵器を使用しなくても通常の戦闘で勝利できるという強い自信を示したという。

サントロ氏によると、米側が協議を求めた重要な問題の一つは、中国が1960年代初めから掲げてきた核の先制不使用と最小限抑止の政策を現在も堅持しているかという点だった。

中国側の代表は政府が両政策を維持しているとし、米国に対する核均衡や核優越を達成することに関心はないと述べたという。

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