世論調査で見る“SNSなりすまし広告詐欺”拡大の実情 4割強が受信経験…20代に多い被害者【FNN世論調査】

“有名人の○○氏が勧める投資案内“

こうした、投資を促すネット上のニセ広告に接したことがある人も多いだろう。いまインターネットやメール、SNSを通じ、有名人や大企業になりすましたニセ広告による詐欺が社会問題となっている。

世論調査では、こうした“なりすまし広告詐欺”の実態について質問を行った。

4割強が目にしているなりすまし詐欺広告

なりすまし詐欺広告に接した経験について質問したところ「なりすまし詐欺広告で金銭被害を受けた」1.9%、「なりすまし詐欺広告をクリックしたが被害は受けなかった」5.7%、「なりすまし詐欺広告に気がつきクリックしなかった」35.6%、「広告詐欺に接したことがない」56.6%となった。4割強の人が、なりすまし詐欺広告に接した経験があることが明らかになった。

【なりすまし広告詐欺に接した経験】

金銭被害を受けた 1.9%
クリックしたが被害なし 5.7%
詐欺と気づきクリックせず 35.6%
接したことがない 56.6 %

年代別に見てみると、金銭的被害を受けた経験が20代以下に多い実態が明らかになった。「なりすまし詐欺広告で金銭被害を受けた」との回答を年齢別に見ると、「20代以下」4.6%、「30代」0.9%、「40代」1.5%、「50代」1.2%、「60代」1.6%、「70代以上」1.9%となった。日常でSNSの利用頻度が他世代に比べて高いとみられる、20代で被害を受けたとの回答が目立って多い結果となった。

【なりすまし詐欺広告で金銭被害を受けた】
20代以下 4.6%
30代 0.9%
40代 1.5%
50代 1.2%
60代 1.6%
70代以上 1.9%

一方で、「詐欺広告に接したことがない」との答えを年代別に見ると「20代以下」50.2%、「30代」51.8%、「40代」43.1%、「50代」43.9%、「60代」63.2%、「70代」74.7%となった。60代以上で「接したことがない」との回答が高い理由として、SNSやインターネットの使用割合が他世代に比べて低いことが理由として考えられる。

【なりすまし広告詐欺に接したことがない】
20代以下 50.2%
30代 51.8%
40代 43.1%
50代 43.9%
60代 63.2%
70代以上 74.7%

なりすまし広告詐欺に対して、政府は対策の強化を進めている。

犯罪対策関係閣僚会議で岸田首相は「近年、SNSなどで相手を信頼させ投資などの名目で金銭をだましとるSNS型投資詐欺などが急増している。著名人になりすましたニセ広告で被害者を誘い込む手口が広く見られ社会的な問題となっている」と指摘した。

その上で政府はSNS事業者に広告の事前審査の強化を要請することや、詐欺広告の削除要請への迅速な対応などを盛り込んだ総合対策をまとめて、取り締まりの強化を進めている。

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