「車が勝手に」70歳女の運転する車がスーパーの駐車場で“暴走”ひかれた66歳女性死亡 ブレーキと踏み間違いか?

20日午後1時過ぎ、東京・小平市にあるスーパーの駐車場で、70歳の女が運転する車が、鉄柱をなぎ倒した後、近くに停車していた車に接触。

さらに、別の車の横に立っていた女性をはね、その後、木にぶつかって停止しました。はねられたのは買い物に来ていた、木田明美さん(66)で、死亡が確認されました。

警視庁は暴走した車を運転していた、三村順子容疑者(70)を過失運転致死の現行犯で逮捕。

三村容疑者は調べに対し、「車が止まらなかった」「車が勝手に走っていった」と供述しているといいます。

三村容疑者の最近の様子について、近所に住む人は「めざまし8」の取材に対しこう話します。

三村容疑者の近隣住民:
膝を悪くしたと確か言っていて…。杖をついたりということはあったんですけどね。

膝を悪くしていたという三村容疑者。しかし、親族によるとこれまで事故を起こしたことはなかったといいます。

三村容疑者の親族:
彼女は、これまで事故を起こしたことは一切ありませんし、ゴールド免許でした。免許返納の話をしたことはありません。

無事故無違反がなぜ…

警察によると、買い物を終えて駐車場の出口を目指していたという三村容疑者。

照明の鉄柱に衝突し、その後、別の車にも接触しながら、軽自動車から降りてきた木田さんをはねたあと、木に突っ込み停止したとみられています。

事故解析技術研究所の相見忍代表は、今回の事故について…。

事故解析技術研究所 相見忍代表:
(スピードは)30~40(km/h)ぐらいだろうと思うんですね。
被害者の方がドアを開けていたんだろうと思うんです。ポールが折れて倒れているんですけども、その方向が車の進行方向そのものを表していますので。
ポールをなぎ倒して、なおかつドアもなぎ倒すっていうぐらいの速度。最終的に木のところまでポールを運んでいますので。

「車が勝手に走って行った」という供述については。

事故解析技術研究所 相見忍代表:
ブレーキとアクセルを間違えて踏んでしまったと。自分はブレーキを踏んでいると思っているが、アクセルを思いきり踏んでいる、というような格好だと思いますね。

これまで、無事故無違反だった人物が起こした暴走事故。
交通事故鑑定人の中島 博史氏は、“事故を起こしたことがなかった”ために「過信」があったのではないかと指摘します。

交通事故鑑定人 中島 博史氏:
本人は、あくまでもブレーキを踏んで車を止めようとしていたんだと思います。自分が思った操作と、車の動きが違うので、自分が間違っているのではなく、車が誤動作をしている、勝手に進んでしまっているというふうに認識してしまっているのだと思います。
やはり、高齢になるに従って頑固になるという傾向もありますし、今までに事故などの経歴がないと自分の運転に自信がある。それが過信になって、自分が間違った運転をするはずがないという過信をもってしまうということがあります。

そして、人間は自分が何かしたときに、自分が間違っているかもしれないと思うことが非常に苦手なので、特に高齢になると自分が間違っているかもしれないということを思いつくという認知能力が低下してきて、間違えていないはずだという方向に思い込んでしまうというのが、事故につながりやすい傾向の一つだと思います。
(めざまし8 6 月21 日放送)

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