叡王戦から一夜明け「孤高」の伊藤匠・新叡王は笑顔 藤井聡太七冠には地元から変わらぬエール

メ~テレ(名古屋テレビ)

20日、劇的な決着となった将棋の叡王戦。藤井聡太「八冠」を破って新叡王になった伊藤匠七段が、一夜明けての会見に臨みました。

山梨県甲府市で20日、将棋の叡王戦第5局が開催されました。 藤井聡太八冠に伊藤匠七段が挑戦する「同学年対決」は、2勝2敗で最終の第5局までもつれ、敗れた藤井八冠は22期連続でタイトルを奪取・防衛してきた記録がストップ。 叡王のタイトルを失い「七冠」に陥落しました。

新叡王「信念を持ってぶれずに高みを」

「新叡王」に就いた、伊藤七段。けさの記者会見で掲げた揮毫は、「孤高」とあります。 「『孤高』という字は、棋士になった時期からよく書いている文字で、自分の中でしっかりと信念を持ってぶれずに高みを目指していくと解釈している」(伊藤匠叡王) 終始、クールな表情で受け答えする伊藤新叡王ですが、記者が「師匠と賞金のお話をされましたか」と質問すると── 笑みがこぼれました。 「いやまあその話はまだしていないんですけど(笑顔)」(伊藤匠叡王)

将棋界の盛り上がりに期待

そして、将棋ファンへのメッセージを求められると、長考のそぶりを見せ── 「きのうの将棋は最後まで優劣のはっきりしない熱戦を見せられたので、今後もこうした将棋を見せられて、将棋界を盛り上げていけたらと考えております」(伊藤匠叡王) 伊藤新叡王も藤井七冠も21歳。同世代のライバルがタイトルを争う姿は、将棋界をさらに面白くしていきそうです。

藤井七冠の地元・瀬戸市では「前向きに考えて応援」

約8か月の間、独占してきた八冠の一角、叡王のタイトルを失った藤井七冠。 一夜明け、地元・愛知県瀬戸市では── 「途中まで結構優勢だったんですよね。いけるかなと思ったら…」(瀬戸市民) 「瀬戸市民としては悔しい気持ちがありますけど、負けからまた強くなって戻ってくるんじゃないかと思っています」(瀬戸市民) 瀬戸の人たちも、今回の対局に悔しさがないわけではありませんが、すでに気持ちを切り替え、藤井七冠を応援します。 「守る立場じゃなくて、もう1回攻める立場になれると、前向きに考えると応援のしがいもあるかなと」(瀬戸市民) 「一生懸命応援して、どんどんまた八冠になっていただけるように応援します!」(瀬戸市民) 藤井七冠の次の対局は、7月1日に名古屋・大須の万松寺で行われる棋聖戦・第3局、そして6日、7日は東区の徳川園で王位戦・第1局が控えています。

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