英財政赤字、5月は対GDP比99.8% 1961年以来の高水準

[ロンドン 21日 ロイター] - 5月の英財政赤字は、対国内総生産(GDP)比で1961年以来の高水準となった。7月4日の総選挙では政権交代が広く予想されているが、次期政権は厳しい財政状況を引き継ぐことになる。

国立統計局(ONS)が21日発表した5月の公的部門純借入額(財政赤字)は国有銀行を除いたベースで2兆7420億ポンド(3兆4700億ドル)。対GDP比率は99.8%に達し、前年同月の96.1%から上昇した。

5月の借り入れは150億ポンドで、ロイターが集計したエコノミスト予想の中央値(157億ポンド)をやや下回った。

新年度最初の2カ月間の借り入れは合計335億ポンド。前年同期を4億ポンド上回ったが、3月に示した予算見通しを15億ポンド下回った。

キャピタル・エコノミクスは、借り入れが予想を下回ったのは、公共投資が減ったためで財政上の課題が減ったわけでないと指摘。今後は金利上昇に伴う利払い負担の増加などが予想されると指摘した。

総選挙では、野党・労働党が党史上最多の議席を獲得すると予想されている。市場調査会社ユーガブが実施した世論調査によると、労働党の獲得議席は425議席、スナク首相率いる与党・保守党の獲得議席は108議席となる見通し。

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